癖のある人にある癖は、実はあなたにもあったりして・・・。
古書買取現場にいきますと『癖のある』お客様に出会うことが多く、実学になることが多いものです。
そもそも古書業界にも癖のある方が多いので、古書会館に行くのさえ面倒くさくなることがあります。
【古書に携わる人たちがなぜ『癖のある』人物になってしまうのか…】
それは古書に関する知識と、分野に対する自信など、良くも悪くも『プライド』を持ってしまうことが一因のような気がします。
目利きに自信のある職人肌の古書店主はかなり癖がありますが、お客様で一番癖があるのはどのような方(職業等)だと思いますか?
「お坊さん?」
いえいえ、お会いするのは吉田尚英ご住職のような素敵な僧侶の方ばかりですのでランキングにも入ってきません。
独断と偏見を含みますが、
第三位に「がめついおばちゃん」
第二位に「作家さん」
そして、
第一位は「定年退職間近の大学教授さん」
だというのが私の実感です。
癖にも
「お金にがめつい」のや
「本の内容や価値にうるさい」の
「こんな立派な本を持っている自分をもっと敬え、偉いんだぞ」
というようなのもあり(笑)、各種こだわりの癖が入り混じってその人を癖のある人物にしているかのようです。
先日、お伺いした関西の教授先生も癖のあるお客様でした。
「なんだね、君。この研究室にある書籍を全部持って行ってくれるかと思って呼んだのに、無駄な時間を過ごしたわけだ」
「そんな、先生。全部持っていかなくて良いって前回おっしゃっていたじゃないですか?」
今回は機嫌が悪い時に来てしまったようです。
気分屋で神経質な先生は昔から癖があるお客様でした。
「いや、持って行ってくれるって言ってたじゃないか」
「言ってませんよ」
「言ったはずだ」
言った、言わないの不毛な水掛け論が始まるところが先生らしいのですが、(付き合ってられないので)作業を一時止めて先生と向き合います。
長く付き合っていると先生の言動の真贋がわかってくるのです。
向き合ったまま、私は先生にこう質問します。
「研究所の本を全部持って行くとほのめかしたのは『他の古書店』ではないでしょうか?」
先生はビクッとして思い出すかのように左上に視線を動かすのです(私にとって向かって右上)
いつだったか過去に『他の古書店』に先生の研究室の棚を私が来る前に荒らされて(先に良いところを買い取られ)嫌な思いをしたことがあったのでまず聞きます。
次の質問は
「全部持っていかなくても残った古書は、他の書店さんが引き取ってくれるのですよね」
と、かまをかけるように聞くのです。
すると、
「そうだったっけな?」
と右上(向かって左上)に視線を動かします。
最後に、
「私が全部持って行って古本の査定額が(輸送経費や廃棄処理代等で)下がるのと、当店で再利用できるものだけ持って行って最高の査定額プラス他の書店に売れるかもしれない可能性を残すのとどちらが良いですか?」
と聞くことになります。
先生は右上に視線を向けながら熟考し、
「まぁ、全部は重たいだろうから好きなものだけ持って行きなさい」ということになるのです。
左上に視線をもっていくのはどうやら「過去」の事実を確かめているのであって、右上は「未来」のイメージを作り出そうとしているという先生のそれこそ「癖」なのです。
他の書店が全部持っていくとほのめかした事実があるから過去を確認するがごとく左上に無意識にも眼球が動いてしまう…。
(査定額など未来の可能性に思いを馳せる時は右上に眼球が泳ぐのです)
【癖のある人にある癖】というのは、癖があるからこそ目立ってしまうんですよね(笑)
古書買取を済ませ、倉庫に運び込んだ書籍を一冊一冊書き込みや蔵印など価値が落ちるものがないかチェックするのですが、癖のある人の持っておられた書籍が必ずしも癖のある本になっているとは限りません。
ポストイットをはがしたり、小口を綺麗に拭いたりして次の(癖のある?)人に買ってもらえるよう極力癖をなくして販売しております。
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癖のある方、癖のある本、ぜひお売りください。
フリーダイヤル 0120-645-410
(大山堂書店古本見積・古書買取専用連絡先)
http://taizandou.com
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