法話「原発事故。これまでとこれから」
昨年の施餓鬼に続き、今年も福島県双葉町・妙勝寺副住職 瀬戸隆寿上人にご法話をいただきました。
東日本大震災・福島第一原発事故からまもなく3年半、報道されない福島の「これまでとこれから」について語っていただきました。
災害発生から時間が経つにつれて記憶が風化していくことは避けたい。
しかし、記憶が風化しないと風評被害はなくならない。
そのジレンマが福島で暮らす人びとに重くのしかかっています。
除染作業を進めることで「いつかは故郷に帰ることができる」と国や自治体は言うが、いつ帰ることが出来るのか、本当に帰ることが出来るのか、全く先の見えない住民たちは生活再建に取り組みようもない。
そんな中で、仮設住宅の高齢者の孤独死や自死者がしていると報道されています。
被災地では「こういう状況だから」という言葉がつい口から出てしまう。
瀬戸上人は、その言葉を使わないようにして、前に進もことから始めました。
昨年は、いわき市に布教所を設立し、散り散りになった檀家さんに声をかけ、2年ぶりの施餓鬼法要を営まれたそうです。
双葉町の妙勝寺は、福島第一原発からわずか3キロに位置し、町民もお寺も避難を余儀なくされています。
お墓にお参りすることもできないお檀家さんたちは先祖供養に飢えているのだと感じるそうです。
施餓鬼法要でご先祖さまに供養させていただくことのありがたさが土地を追われて強く実感したそうです。
施餓鬼会音楽大法要
法話の後、例年同様、ご先祖さまや新盆の霊位、そして法界万霊に供養を捧げる音楽大法要が営まれました。
雅楽の調べに乗って読経し、散華をしながら、ご先祖さまたちにごちそうを召し上がっていただきました。
瀬戸上人のお話のように、先祖供養させていただく幸せを十分に味わうことができました。
施餓鬼
施餓鬼 原発