彼岸花
秋のお彼岸になると花を咲かせる彼岸花。
ここ数年は夏の猛暑の影響で開花が遅れています。
明日が彼岸の入りの今日9月19日、万両塚の一角に彼岸花のつぼみを一輪見つけました。
「暑さ寒さも彼岸まで」ということわざ通り、確かにここへきて涼しくなったと感じます。
彼岸花も同じように涼しさを感じているのでしょうね。
昼夜が等分である彼岸の中日は、仏教が説く中道の教えに通じるものがあります。
中道とは偏らない心で、こだわりを捨てて、正しく考え、仏さまの悟りを実践することです。
気候のよいこの時期に、少しでも仏さまの境地=彼岸に近づくために修行に励むのが本来のお彼岸の意味です。
六波羅蜜(ろくはらみつ)
仏教では彼岸へ渡るための実践として「六波羅蜜」という6つの修業を説いています。
①布施(ふせ)
他人に施すこと。ものをさしあげること。させてもらうこと。心に安らぎを与えること。
②持戒(じかい)
身をつつしみ、つねに反省すること。戒を守りそれをたもつこと。人に迷惑をかけない、約束を守ること。
③忍辱(にんにく)
平静にして耐え忍ぶ、苦しくてもじっと耐えること。怒りの気持ち、悪心を起こさないこと。
④精進(しょうじん)
つねに努力を惜しまず、全力をあげて事に当たること。よいことをし、悪いことをしないように努力し続けること。
⑤禅定(ぜんじょう)
精神の統一、集中。感情をしずめ、心を安定させること。日常の一挙手一投足を大切にすること。
⑥智慧(ちえ)
ものごとを正しく見据え、曇りのない正しい判断力をもつこと。すべてのいのちを生かしている大いなるいのちを理解すること。
六波羅蜜を中日の前後三日ずつに配して、毎日心して過ごすのがお彼岸7日間の修業です。
この修行によって心ゆたかな存在となり、周りの人たちも明るく照らせる人間になりたいものですね。
お彼岸のお塔婆の申し込みは約250本。
いつものように本堂にお供えをしてお彼岸をお迎えする支度も整いました。
永寿院の彼岸中日法要は、9月23日(月)「秋分の日」午後1時です。
どうぞご家族でお参りください。
彼岸について
彼岸花 六波羅蜜