二十四節気 立秋
二十四節気
立秋 (7月節)
8月7日~8月22日頃
初めて秋の気立つがゆへなれば也 (こよみ便覧)
初めて秋の涼風が立ちはじめる頃。
暦の上ではこの日から立冬の前日までが秋ですが、まだまだ厳しい暑さが続きます。
「暑中見舞い」は立秋前日まで、立秋以降は「残暑見舞い」となります。
文月
文月(ふみづき)は七夕の短冊に願いを書いたことから、文をしたためる月。
秋初月(あきはづき)、女郎花月(おみなえしづき)、愛逢月(めであいづき)などとも。
地方では、8月7日に月遅れの七夕を行うところも多くあります。
星まつり
日本でも各地で七夕まつりがおこなわれますが、中国や韓国、ベトナムなど他のアジアの多くの地域でも七夕は大切な星祭りです。
七夕の星まつりは、芸事の上達を願う織女と牽牛の物語。
「機織りが上手な織女という娘と働き者の牛追いの牽牛が出会い恋をしますが、二人は仕事をおろそかにする様になってしまい、天帝(西王母とする場合も)の怒りをかい、年に一度7月7日にしか会うことを許されなくなってしまいました・・・」
織女が天から来て水浴びをしている間に、羽衣を牽牛に取られてしまう・・・という羽衣バージョンや、牽牛が二人の子どもを背負い、織女に会いに天に上るなど、いろんなバージョンのストーリーが何種類かあるようですが、最終的に二人の出会いを年に一度にするという点は共通でしょう。
いつの頃からか、七夕に機織りを生業とする織女を称えて、お裁縫が上手にできるように願い事をするようになり、さらにはそれが芸事だけにとどまらない願い事になっていったようです。
日本では五色の短冊に願いを書き、笹竹に飾りますが、中国の乞巧奠(きこうでん)は、裁縫の上達を祈願して、五色の短冊ではなく五色の糸を飾ります。
七十二候 立秋初候 涼風至る
七十二候 第三十七候 涼風至
8月7日~11日頃
「りょうふういたる」と読ませます。
朝晩になると大分涼しい風が吹く様になりますが、立秋は夏の真盛りの時期。
暦では初秋ではありますが、都内の暑さはまだ和らぎません。
盆休みが始まり、各地で盆踊りや花火大会、七夕まつりや灯篭流しなどが行われます。
秋来ぬと目にはさやかにみえねども 風の音にぞおどろかれぬる
藤原敏行 古今和歌集
立秋に詠まれた名歌です。この歌だけは覚えている人も多いのではないでしょうか?
藤原敏行は三十六歌仙の一人で、書家としても空海と並ぶほどの能書家として有名です。
七十二候 立秋次候 寒蝉鳴く
七十二候 第三十八候 寒蝉鳴
8月12日~16日頃
「かんせんなく」と読ませます。
お盆休みの帰省ラッシュも始まり、田舎へと帰る人や車が移動を始めますが、都内は少しだけ閑散として落ち着いた雰囲気になります。
この時期は、水の事故や車の事故も多くなります。皆さん、気を付けて楽しいお盆休みをお過ごしください。
蝉
ミンミン蝉やアブラ蝉たちは最後の力を込めて夏の命を全うしようと懸命です。
蝉は種類によって鳴く時間がきまっていて、これは湿度や温度に関係してるのだそう。
クマゼミ、ミンミンゼミは午前中、アブラゼミやツクツクボウシは午後、ヒグラシは朝夕、ニイニイゼミは一日中といった具合。
鳴く時期にも違いがあり、ミンミンゼミやアブラゼミは7月下旬から鳴きはじめ、主に夏真っ盛りの時期に。ツクツクボウシは8月下旬頃に夏を惜しむかのように鳴き始めます。
ヒグラシが鳴く時期は7月下旬から8月下旬の夕刻に鳴くとされています。
さて、では果たして寒蝉はどの蝉か?
明治の略本歴ではヒグラシとしていますが、その前の略暦暦・寛政歴では「寒蝉鳴」と書かれていてヒグラシと限定はしていません。7月下旬から8月下旬にかけての夕刻にしかなかないヒグラシが寒蝉にあたるのか?ということに疑問を感じてしまいます。
夏の終わりを告げる蝉と言えば、「ツクツクボウシ」のほうがしっくりくるように思ってしまうのですがいかがでしょう。
「カナカナ・・・」と夕昏に聞こえる方が秋を感じるでしょうか。
七十二候 立秋末候 蒙霧升降す
七十二候 第三十九候 蒙霧升降
8月17日~22日頃
「もうむしょうこうす」と読ませます。
霧が昇降しだす頃。季語では秋は霧、春は霞と使い分けています。
湿気の多い蒸し暑い日本の夏ですが、このころから朝方は少しづつ過ごしやすくなります。
山間部には朝夕、霧が発生しやすくなります。この時期、夏山登山を楽しむ方も多くいることでしょう。
早朝に登りはじめて、昼前に山頂に着く頃には素晴らしく晴れることも多く、眼下に美しい景色が眺められれば疲れも吹き飛んでしまいます。しかし、山の天気は変わりやすいので十分な装備を心掛けたいもの。突然の雨や雷にも対処できるようにしておくべきです。
雨や霧が出たら無理をせず、休んで頃合いを待つのも大切なことだと言います。
軽装備や油断は大敵。コンパスや地形図くらいは必ず持っていき、天候が荒れたらビバークする覚悟で臨んで欲しい夏山登山です。
ペルセウス座流星群
夏にみられるペルセウス座流星群。
8月12日の真夜中から13日の明け方にかけて良く見られるようです。今年は月が夜半前には沈む為、月明かりが邪魔することなくみられる絶好の条件との事。
北東の空の北極星の右上、カシオペア座の下あたりが放射点になっていて全天に向かって流れます。
満点の星空で晴れていれば、多い時で1時間に50個ほども見られることもあるそうですよ。
二十四節気と七十二候 立秋
立秋 七十二候