「皆大いに歓喜して 未曾有なることを得」
「妙法蓮華経如来神力品第二十一」の一節です。
十種の神力も後半に入り、仏様ご入滅後の末法悪世の人々に対し、十方世界の中心は我々の住むこの娑婆世界であり、ただ一人久遠の仏様は娑婆世界の教主釈尊であり、唯一のみ教えはその仏様のお心、つまり法華経であることが説かれていきます。
つまり、この第六番目以後の神力は未来の予言であり、最初の「普見大会(ふけんだいえ)」は、将来このあらゆる世界に生きるすべてのものは、法華経によってしか救われないということが示されているのです。
これを別の言い方で「未来機一(みらいきいつ)」と言い、未来に必ず機根が一致するときが来るというのです。
「機根」とは教えを受ける立場の能力のこと、教えを聞いてその人が理解をするのが速いか遅いかはあるけれども、みな生まれながらに備えている仏性を呼び起こし、お互いに仏さまのみ教えを学んでいく、仏様に帰依するのであれば、必ずみな仏様と同じ心持ちになれるというのです。
仏様への帰依はあらゆる世界の仏様への帰依であります。
これは結局他の世界とこの世界は相通じているから、十方の世界どこにあっても真実の教えというものは一つしかないということが明かされ、皆お互いに歓喜しあったのであります。
歓喜とはこれ以上ない喜び、上辺だけのまた一瞬の喜びではありません。
心のうちから沸き立つ永遠の喜びであります。
それはかつて一度も味わったことのない喜びであるのです。
私たちが常にみ教えを追い求める心にこそ歓喜は訪れるのです。
法華経
普見大会 未来機一