「十方世界は通達無礙なること 一仏土の如し」 神力品 神通力

「十方世界は通達無礙なること 一仏土の如し」

あなたと私、自然と私、仏さまと私、本当はすべてに心が通う私がここにいる

妙法蓮華経如来神力品第二十一の一節です。

仏さまのお説法を聴聞して、歓喜の心を起こし、自らも仏さまのみ教えを弘めるために全力を尽くしたいと菩薩さま方が誓われたのに対して、それならばと表されたのが、数回にわたりご紹介をいたしました十種類の神通力です。

仏さまは国を超え民族を超え、全ての生きとし生けるものが進むべき道をお示しくださいました。そしてそれはみなが互いに真実を求めて努めて行くならば、必ずや理想の時代が開かれるために役に立つ働きができていくのだと言う事に他ならず、仏さまが説き示したかったほんとうの理想の状態であり、まさしく十種の神力の眼目でもあるのがこの最後の神力「通一仏土(つういちぶつど)」です。

日蓮聖人はこれを「立正安国」と表わされ、末法の世にこそ全ての人々の幸せを希う教え法華経・その真髄である南無妙法蓮華経によって国を安んずるのである。
しかも安んずるのは限られた世界を指しているのではなく、閻浮提すなわち全宇宙のことであり、私たち人間や、動物だけでなく、草木・大地・大気・大海の成仏も含まれているとされました。

このことを宮沢賢治は「世界全体が幸せにならなければ個人の幸せはない」と現代に生きる私たちに絵解きしてくれたのであります。
私たちがお題目のこころで宇宙を、地球を、日本を、社会を、家庭を、そして自らの心を安んずることが出来たとき、本仏の願い「仏国土」が必ず顕現されるのです。

法華経

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