寺ネットサンガ~「武蔵国分寺跡を訪ねて」 ミニツアー 東山道の遺構~国分寺跡 武蔵国分寺跡 寺ネットサンガ

ミニツアー 東山道の遺構~国分寺跡

4/19(水) 寺ネットサンガの遠足 「武蔵国分寺跡を訪ねて」が行われました。
2023年の春になり、やっとコロナ禍も落ち着きをみせてきました。そして、念願の寺ネット・サンガの遠足イベントも再開の運びとなりました。
今回は奈良時代をしのび、武蔵国分寺跡・国府跡等を訪ねる小旅行です。
西国分寺駅を2時に出発し、東山道(とうさんどう)武蔵路(むさしみち)の遺構を見学しながら国府跡を訪ね、府中の大國魂神社へと3時間ほど歩きました。

国分寺市学芸員の先生にご案内をいただき、汗ばむほど晴れた午後のひと時、遠く奈良時代の仏教文化へ想いを馳せながらのお散歩です。

西国分寺駅の東南には7世紀に整備されたという東山道武蔵路跡が見つかっています。
まずは、その東山道の遺構が展示されている所へと向かいました。

当時としては最新の国レベルの道路網の整備は、今でいう高速道路レベルの道路をつくることに匹敵します。七道といわれた各地方へ、都にいる天皇からの伝令を伝えるためや、税納の物資の運搬として使われたのだそうです。情報伝達の為に駅家(うまや)を16キロごとに設置し、そこに道路の重要性に応じて、10頭から20頭の馬を置いていたのだそうで、しっかりとした情報伝達ネットワークが作られて行ったのは当時の政治の推進力を物語っています。

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現在の武蔵野国分寺

皆さんと東山道を南へと歩いていくと、木々の間に現在の武蔵野国分寺の本堂が見えてきました。こんもりと新緑が繁った木々の下はひんやりと気持ち良く風が通ります。
先生が本堂を支える柱と礎石の工法について説明くださいました。
「日本古来の知恵が詰まったこの工法を「ひかりつけ」と言います。これは、地震の多い日本特有の工法です。現代の宮大工さんでもこれが出来る人は本当に少ないそうです。
この工法は礎石の形に木柱の底面を削って合わせることをしている。そうすることで地震の揺れにも崩れない柱が出来るのです」
説明がないと見過ごしてしまうようなポイントに、参加者の皆さんから「すごい!」という声が漏れていました。

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国分寺跡(国分寺市立歴史公園)

広々とした草原が広がる国分寺跡地(国分寺市立歴史公園)へと歩いていくと、点々と大きな礎石が規則的に並んでいました。
先ほどの説明から察するに相当太い柱が立っていたのだと容易にわかります。
復元された石畳には、小石の間に模様のある瓦の破片も見られました。古代に作られた瓦が石畳に使われたようです。ここら辺は探せば、7世紀の瓦の破片を見つけることが出来るそうです。

武蔵国分寺は全国で二番目の大きさをほこる講堂のほか金堂、中門、鐘楼、経蔵、僧坊、七重塔と大規模な仏教伽藍跡が見つかりました。

今から約1300年以上前の聖武天皇の時代、天然痘の伝染病が流行りました。100万人近くが亡くなったほどの疫病。当時の日本の人口が500万人だったそうですから五分の一ほども亡くなってしまったというのは衝撃です。また、飢饉や大地震、朝鮮半島からの他国の侵略などの社会不安が続きました。そこで、聖武天皇は当時まだ新しかった仏教を全国に広めて、仏教の力によって社会不安を鎮めることを目的として、主要な地方に国分寺・国分尼寺建立の詔を発布(741年)しました。
「金光明最勝王経」を七重塔に納め、国分寺には20人のお坊さんを国分尼寺には10人の尼さんを置き、定期的に仏教の法要をすることで社会の安定を図ろうとしたのだそうです。


現代人の私達も大震災やコロナウイルスの脅威を経験していますから、災害の悲惨さや流行病の怖さは実感できます。医療が発達し、衛生観念も確立している現代でも、ウイルスの恐怖に怯えて大変な騒ぎとなりましたから、仏教をよりどころとした聖武天皇の気持ちもわからなくもありません。

武蔵野の国分寺跡の発掘や保存は市民運動によりなされることになったのだそうです。昭和49年から発掘調査が開始されると、僧寺の金堂を中心にさまざまな関連施設も見つかりました。国分寺の施設だけでなく周辺集落、そして僧寺の西側に東山道が、更に西には国分尼寺の遺跡が次々と発掘されました。
私達が歩いていた先々で、学生服の中学生たちがノートを手に歴史の実地調査課題に興じていました。楽しそうに遊ぶように学ぶその様を見ていて、こういった歴史跡を残すこと大切さを感じました。

その後、国分寺跡を背に国府があった大國魂神社へと向かいました。府中刑務所の脇を通りJRで一駅電車に乗り府中本町へ。国府跡は大國魂神社の西側にありました。
みなさんと大國魂神社を参拝して今回の遠足は終了です。1300年前の武蔵野の歴史を肌で感じた有意義なミニツアーでした。




寺ネットサンガの遠足 「武蔵国分寺跡を訪ねて」

武蔵国分寺跡 寺ネットサンガ

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