亡き方を偲び、遺された方々が思いを届ける儀式が法事です。
お花やお菓子・果物などを供え、お経を読み、お焼香をして、故人のためにできることを形にしていきます。その一つひとつの行為が、遺された方々の心の中に生きている故人を思い起こすことにつながり、いのちをつなぐということになるのでしょう。
法事では、故人の徳に感謝し成仏を願い読経します。そして、お経の声を耳にし(仏さまの講義を聞き)、お経を唱える(講義をする)ことによって、参列者それぞれが大きな功徳を積み、その功徳を故人に手向けます。自分が積んだ功徳を故人にたむけることを回向と呼び、そのように回向をすることを追善供養といいます。
日蓮宗で読むお経は「法華経」です。仏さまがいつでも私たちを見守り、共に仏に成るまで、苦しみや悩みに寄り添い、手を差し伸べて下さっていることが説かれています。法華経の一文字一文字を声に出して読みながら、仏さまの思いがご自身に浸み込み、亡き方にも届くようにお勤めください。
読経の後にお題目を繰り返しお唱えします。「南無妙法蓮華経」とお題目を唱えながら、亡き方と心を通わせてください。ご生前のこと、亡くなってからのこと、それぞれの想いを込めて会話をするように、いのちに向き合うひとときをお過ごしください。
仏事の心得
法事 お経