屏風の修復
平成23年四月、永寿院本堂の御霊宝の調査を行なった際に、江戸時代初め、奥絵師狩野派の筆による「源平合戦図屏風」六曲一双が確認されました。
一の谷合戦・屋島合戦の名場面が精緻且つ鮮やかに描かれている屏風です。
当時の絵師は寺院に作品を寄進する際には神仏に謙遜して自らの銘は入れない習慣があったそうです。
そのため、誰の作品であるかは明言できませんが、本門寺にゆかりのある狩野派の絵師によるものであることは間違いないそうです。
保存状態が悪く激しく傷んでいたため修復作業を依頼していましたが、2年間かけてようやく作業が終了し、お寺に戻ってきました。
名場面
屏風には、義経軍が断崖絶壁を一気に駆け下る鵯越(ひよどりごえ)の逆落しや、平敦盛と熊谷直実の組討(2枚目の写真)、那須与一が扇の的を射る場面などが細やかな表情が鮮やかな色彩で描かれています。
いずれ講演会と合わせた一般公開を企画する予定です。
平家物語の内容、狩野派の芸術性、この屏風と永寿院の関係、修復の苦労話などを、専門家の解説をいただきながら、この宝物を味わう機会を作りたいと思います。
源平合戦屏風
源平合戦図屏風 敦盛