信仰の相続 円満相続の秘訣 円満相続

円満相続の秘訣

親が亡くなり、兄弟同士が相続でもめて絶縁状態になり、法事も墓参りも一緒に出来なくなるという話を耳にすることがあります。

相続専門の税理士の内田麻由子さんは「円満相続の3K~感謝・絆・供養」が大切であると著書や講演で伝えています。
親から遺産を相続することを「あたりまえ」ではなく「ありがたい」と感謝すること。
兄弟の間でお互いの生活や状況を思いやり譲り合う「絆」。
そして、ご先祖さまから受けついできた価値観、家訓や信条などを共有する供養の場があること。
この3Kを供えている家族は円満な相続をすることが多いそうです。

祭祀承継者

お墓・仏壇・仏事などを引き継ぐ人を「祭祀承継者」と民法には定められています。
祭祀承継者は、ご先祖さまを敬い、故人のお世話をして、心のふるさとを守る大事なお役目です。

しかし、お墓の管理・お寺との付き合い・法事の接待など金銭的な負担も少なくありません。
お墓や仏壇は財産として扱われないので相続税の対象外ですが、祭祀を承継することを理由に、遺産を多く相続することは認められません。
財産と共に祭祀を承継した惣領が、一族の生活の面倒を見ると同時に、ご先祖さまと子孫への責任も負っていた家督相続制度は昔の話です。

現在民法上では、祭祀承継者は遺言や口頭によって指定され、指定がない場合は慣習によって決まり、慣習が明らかでないときは家庭裁判所が定めるとあります。
しかし、跡取りがなく遠い親戚が葬儀をつとめるケースや、生前に知人や業者に自分の葬儀を託している独居者など、時代の変化により祭祀継承に関わる問題が多く見られます。

信仰の相続をするために

核家族化した都会の家には仏壇がなく、仏さまやご先祖さまに向かって手を合わせる習慣もなくなってしまいました。
仏事のしきたりや慣習、金銭的な負担、菩提寺が遠い、跡取りがいないなど、さまざまな理由でお寺との縁が希薄な人も増えています。
跡取りがいても信仰の相続がなされていないため、親が亡くなったときに、どう供養すればよいのかわからず「円満相続の3K」が成り立たなくなっている。それが今の世の中ではないでしょうか。

そうならないためにも、仏さま・ご先祖さま・世間さまとのつながりを実感しながら人生を歩む道標としてお寺にお参りして、道に迷わぬように先導する僧侶とつきあうのも悪くないと思います。

お寺の側でも情報社会の中で、印刷物やインターネットなどさまざまな広報活動をしています。
しかし、檀家制度が基本で、通常お寺からの案内は当主にのみに送られ、別居している次世代の人達には届きにくいのが現状です。
送り手も受け手も真剣に「信仰の相続」に取り組まなければ、社会の「円満相続」が危ぶまれ、人々がいがみ合う未来にならないとも限りません。
日本中のお寺が「心のふるさと」として魅力的な場所となるよう努めますので、心の財産を未来に相続できるように、皆様もご協力をお願いいたします。


まんだらエンディングノート

信仰の相続 円満相続

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