仏に成る道 人の力 神仏に祈る

仏に成る道

人の力ではいかんともしがたい自然災害に、自分だけは遭遇しないで済むようにと、神仏に祈ることもあるでしょう。
「自分が住む町に大地震が来ないように」「自分の生きているうちに大災害が起こらないように」と祈ることもあるでしょう。
また被災された方は、「なぜ自分が」「なぜ自分の住む町が」「なぜ自分が生きている時代に」と、どうにもならないとわかっていても、神仏に、悲しみや怒りを投げかけることもあるでしょう。
どうしても、まず自分のことを考えてしまうのが人間です。
でも、被災地にエールを送ったり、支援に感謝したり、心の奥底から、誰かのことを思うことができるのも人間です。
宮沢賢治は「世界が全体幸福にならないうちは、個人の幸福はあり得ない」と言いましたが、「私が幸福にならないうちには、世界全体の幸福もあり得ない」という考えもあっていいと思うのです。
そんなふうに、自分勝手な心と、人を思いやる心が、行ったり来たりしているうちに、ちょうどいいところで仏さまがすくい上げてくださり、私たち凡夫は、少しずつ仏さまに近づいていくのだと思います。

きょうの説法

人の力 神仏に祈る

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