建築法話⑤ 鬼瓦 鬼瓦 節分

鬼瓦

お寺のお堂を見上げると、いつも屋根の上から邪気を追い払うかのように鬼瓦が遠くを見据え、にらみをきかせています。

瓦屋根が生まれたとき、棟の両端を納めるため様々な飾り瓦が登場しました。
鬼の面の瓦は古くは奈良時代のものが出土していますが、頻繁に使われるようになったのは鎌倉時代といわれています。
当時人間の力の及ばない自然の力による火災(風水害・病・死など)は鬼の仕業と考えられていました。
しかし、桃太郎の鬼退治や節分の豆まきの鬼たちは追い払われるとき、厄災をも社会の外に運び出してくれるとも考えられていました。
そのようなことから鬼の霊力による守護を求める鬼瓦が生まれたのかもしれません。

江戸時代になると鬼瓦は一般の民家にも使われるようになります。
鬼瓦ににらまれた隣の家の女房が寝込んでしまったという逸話が生まれるほどその眼力は畏れられ、ご近所への気遣いから鬼面の瓦を使うことが控えられたといわれます。

また、火災よけの「水」という文字や、家内円満の福の神など、願いごとを託すにふさわしい瓦もあらわれました。現在の住宅では、さらに簡略化されて顔のない鬼瓦が主流になっています。

情報化時代、宣伝広告に欲望をあおられ、むさぼり欲しがる餓鬼の心が育ちます。
一番の鬼は私たち自身の内に棲んでいることを知り、心の中の鬼が大きくならないように、鬼瓦の眼力に加えて、あふれる情報の中から、本当に必要な物は何か見極める「眼力」を身につけることが大切になるのではないでしょうか。

建築法話⑤ 鬼瓦 鬼瓦 節分

節分のご案内

間もなく節分です。
心の中の鬼を追い出す準備をしていますか。

池上本門寺の節分追儺式にもお参りください。
2月3日(日)午後3時から境内大桟敷にて豆まきです。
http://honmonji.jp/05topic/05event/setubun/setubun2013.html

鬼瓦について

鬼瓦 節分

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