自分史を書く 自分史を書く目的 自分史 種種御振舞御書

自分史を書く目的

多くのエンディングノートには「自分史」を書く欄があります。
誕生・学歴・職歴などを記入する履歴書的なものから、家族との思い出や人生の節目を振り返る日記的なものまでさまざまです。
自分史を書く目的は、自分が生きた証を後世に伝え、自分の生きざまを通して子や孫の生きる糧として残したい、あるいは自分自身の生き方を見つめなおし再発見するなどいくつかあると思います。
私が一番大切だと思うことは、仏さまによって生かされている「いのち」をいかに生かしてきたかを振り返る作業ではないかと思うのです。
人生山あり谷あり、いいことも悪いこともあったと思います。
一瞬一瞬を精一杯、そして丁寧に生きて、仏さまの意に沿った生き方をしてきたかを見つめることにあるのではないかと思います。

種種御振舞御書

種種御振舞御書』は日蓮聖人が晩年、身延においてご自身の生涯を振り返って著された自伝で、まさに自分史のようなご遺文です。
今日まで語られる「日蓮聖人伝」の基礎となる貴重なご遺文でもあります。
『立正安国論』の奏進以降、度重なる法難の足跡を力強く描き、最後の一段は法華経の行者が法難に合う理由を証し、身延に隠棲するに至った心境を述べられています。

一説には、日蓮聖人に直接お目にかかることがかなわなかった門下の弟子・信者に対して朗々と読み聞かせ、信仰を受け渡すために書かれた自伝だといわれています。
天災・飢饉や蒙古襲来に苦しむ日本の人々を案じ、法華経を広めなければならないという強い思いが伝わってきます。
そして、本仏釈尊の御心のままに生きられたのが日蓮聖人のご生涯であると、七百年の時を超えた私たちにまで伝わってきます。

自分史の書きかた

さて私たちが自分史を書くとき、いったい何が見えてくるでしょう。
日蓮聖人と比べてあまりにも底が浅いと嘆くより、残された時間で人生をいかに深めていくかを考える材料にしたいものです。
身構えず、できることから始めてみましょう。

自分史をまとめる方法はさまざまあります。
一つひとつの出来事にその時の思いを重ねて私小説風にまとめたり、日記や原稿、仕事の資料やブログなどインターネット上の投稿をまとめていく方法もあります。
もっとも簡単な方法としては、人生の一コマである記念写真を十枚程度選び出し、そこに日付と短いコメントを付けて時系列に並べるだけでも立派な自分史になります。

書き上げた自分史を読むのは、自分が亡きあと遺された人でしょうか。
あるいは誰にも読まれず埋もれてしまうかもしれません。
しかし、そこに書かれたことも、書かれていないことも、評価してくださるのは仏さまではないかと思います。

日蓮聖人も弟子・信者にあてて書かれた自伝を、仏さまに捧げるようなお気持ちでお書きになられたのだと思います。
最終的に読んでくださるのは仏さまであると意識しながら、自分史を書いてみませんか。

自分史

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