お数珠の持ち方
お数珠は、お経やお題目を唱えた回数を数えるために用いるので「数の珠」と書きます。
また、仏や法を念じてお経やお題目を唱え、礼拝するときに用いる法具であるので念珠ともいいます。
日蓮宗のお数珠は、通常2環にして左手首にかけます。
合掌するときはやはり2環にして、左手の親指と人差し指の間にかけます。
ただし、法要中の勧請、唱題、宝塔偈、回向の際は、2本の房の方を右手の中指にかけ、数珠の環の途中を一つひねって綾をつくり、3本の房の方を左手の中指にかけて合掌します。
「ミギ」で房2本、「ヒダリ」で房3本と覚えていると間違えません。
お数珠の使い方
日蓮宗のお数珠は、一回り112の珠と、5つの房の40個の珠から構成されています。
このお数珠を使うと、100万遍のお題目を数えることができます。
①一から百まで
日蓮宗のお数珠の珠の一環の数は、煩悩の数108と法華経の四菩薩をあらわす4つの珠を合わせた112個です。
お題目をお唱えするときは、このお数珠1回りで100遍と数えます。
12個分は、雑念が入り気が抜けた分だと修行中に教えられました。
②百から千まで
左側の3本の房の中で珠が10個ついている房を「数取り」と呼びます。
お題目112遍を100遍として一回りしましたら、この珠を一つ下に下げます。
数取の珠が10個下げ終わったら、1000遍のお題目を唱えたことになります。
③千から一万まで
1000遍お唱えしたら、2本の房に5個ずつ付いている珠の1つを下げます。
10個下げ終わると一万遍お唱えしたことになります。
④一万から百万まで
左で一万遍唱え終わりましたら、右の房の下に5個ずつ付いている珠を下げ、10個下がったら10万遍、10万遍終わったら上の輪になっている珠を順に下げ、すべて下がると100万遍達成です。
お数珠の功徳
はじめは数を数えることに心をとらわれますが、百万遍という数を唱え終わったころには数は問題でなくなってきます。
ある人が、願をかけて百万遍のお題目を唱えたそうです。はじめは、お数珠を使って数を数えることに心をとらわれていましたが、百万遍という数を唱え終わる頃には数は問題でなくなったといいます。
お題目を無心に唱えていると、その功徳で自信と安らぎが身につき、自分が変わっていくのです。
百万遍も唱えているうちに、 願いのもとの悩みがなくなっていたというのです。
そして「お願いします」と唱えていたお題目が、いつの間にか「ありがとうございます」という感謝のお題目に変わっていったのです。
お数珠について
数珠 数