基礎と土台
基礎と土台を混同した発言をよく耳にします。
建築用語では、基礎は「地面に接して建物を支える石やコンクリートの工作物」、土台は「基礎の上に横に渡された木材」のことをいいます。
もともと土台とは、土を盛り固めて築いた台のことをいいました。一方、土台といえば物事の基本という意味にも使われますから、混同するのも無理はないでしょう。
土台がなければ、コンクリートの基礎と木の柱を上手につなぎ止めることはできません。土台は、柱から基礎に荷重を受け渡す仲人役です。
また土台は、地面に近く湿気の影響を受けて腐りやすい部分です。最近では、基礎と土台の間にパッキンを入れて通気性を良くする工法が用いられることがあります。基礎と土台は、ともに建物を支える文字通り「縁の下の力持ち」です。
しかし両者は、別々の役割をもった、違うものとして考えて使用しなければ、腐ってしまします。
私たちのまわりには、見た目には同じでも、違う役割を演じているものがたくさんあります。素直な心になれば、仏さまがそれぞれの性質を見極め、適材適所に配して下さっていることに気づくはずです。
そして、目に見えない多くの物事に支えられて今があるということを感じることができれば、おのずと何をすればよいのかわかってくるでしょう。
執着を捨てて素直な心をもつことは困難なことですが、「土台無理な話」とあきらめず、日々の修行を積むことが大切です。
基礎と土台について
基礎 土台