建築法話⑯ 雨水タンク 雨水タンク ポリタンク

雨水タンク

永寿院では10年以上前から200リットルの雨水タンクを2台使用しています。
地面が濡れる程度の少量の雨でも数十リットルの水がたまります。
一晩の雨で200リットルのタンクは満水になります。
タンクの水を使い残り少なくなると空を仰ぎ、今度はいつ雨が降るのか気になります。
ご先祖さまは、こうやって自然とつきあってきたのだと思いを募らせました。

都会に住む私たちは、降る雨を使わずにそのまま下水に流し、遠い水源から莫大なエネルギーを使って運ばれてきた水道水をあたりまえのように垂れ流しています。
一滴の水にもいのちがあり、それを勿体無いと思う心が忘れられています。

一つのタンクが雨との距離をぐっと近づけてくれます。
鉢植えの水やりや洗車にと便利に使いながら、節水と雨を感じる感性が養われていく気がします。



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ポリタンク利用

市販の雨水タンクは1万円程度から数万円まで、様々なものが販売されています。
もう少し手軽に雨水をあつめる仕組みを紹介します。

竪樋の途中にノコギリで斜めに切れ目を入れて、そこにスコップ上の集水器を差し込みます。
この集水器は「レインキャッチ」という商品名で1個1000円程度で手に入ります。
レインキャッチにホースを差し込み、ポリタンクなどに雨水を貯めます。

ポリタンクは大容量のものよりも、持ち運びや散水の使い勝手を考えて10リットル以下のものをお勧めします。
災害時には女性でも運べる10リットルのポリタンクが重宝するそうです。
そこで、永寿院では10リットルのポリタンクを5つ並べ、ホースを水と空気が漏れないようにつなぎました。
集水器より低い位置にポリタンクを置くと、順に5つのタンクに水が溜まります。
雨の日にその様子を見ているだけでも楽しいものですよ。



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三草二木(さんそうにもく)のたとえ

法華経の『薬草喩品第5』(やくおうゆほんだいご)に「三草二木のたとえ」という教えが説かれています。

雨は大小の木、大中小の草に降り注ぎます。
すべての草木に同じように雨が注がれているように思われがちですが、大きい木と小さい草では受けとめる雨の量は違ってきます。
大きい木も小さい草も同じ量だけ雨が降り注いだとしたら、大きい木には水が足りず、小さい草は流されてしまうかもしれません。

仏さまの教えも雨と同じように、すべての人々に開かれています。
しかし、理解力のある人にはたくさん、理解が浅い人には少しずつ教えが伝わります。
それでも目指すところの真実の悟りは一つであるということを、木と草に注がれる雨にたとえたお話です。

「晴耕雨読」
晴れた日にポリタンクを設置して、雨の日にタンクに水がたまるのを待ちながら、仏教を学ぶのもいいのもです。

雨水利用

雨水タンク ポリタンク

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