関東ローム層
NHKテレビの「ブラタモリ」という番組が人気です。地形・地質・歴史に着目した町歩きが新鮮な感動を呼び起こします。
そこで永寿院の歴史も池上の地形・地質の観点から書いてみたいと思います。
池上のお山は武蔵野台地の最南端に位置し、関東ローム層の台地です。
東京湾の海岸線は十数万年もの昔、気温変動による進退を繰り返し台地を削りました。
さらに富士山などの火山は噴火を繰り返し、火山灰が降り積もり、何万年もかけて砂と粘土が混じり合い、そこに含まれた鉄分が酸化して赤土の関東ロームの地層をつくりました。
関東ローム層の土を構成する粒子同士は安定した状態で、木造住宅や墓石などの地盤としての支持力もあるそうです。
しかし、掘削などによってひとたび崩されると軟質で厄介な土に変わります。
弥生時代の住居の床もローム層が床面でした。
大きな墓石はローム層まで掘り下げて基礎をつくると傾くことがないそうです。
安定した台地の上に本門寺の伽藍も築かれました。
何万年、何十万年かけて作られた土の恩恵にあずかっていることを感じ、一歩一歩大地を踏みしめながら感謝を忘れないようにしましょう。
池上の歴史
池上の地形 関東ローム