スミレ
小さく可憐なスミレの花は、古くから世界中で親しまれてきました。
野に咲くものや、園芸用に栽培されているものなど数百の品種があるそうです。
天ぷらやおひたしにしたり、砂糖漬けにして食べるなど食用としても珍重されています。
花の形が墨入れ(墨壺)に似ていることが名前の由来だという説がありますが、大工道具の墨入れが伝来する以前の『万葉集』にもスミレは登場するので、ずっと昔からスミレと呼ばれてきたと考えるのがよいかもしれません。
小さな花をひっそりと咲かせる姿が、控えめで奥ゆかしいことから、「謙虚」「誠実」「小さな幸せ」という花言葉がつけられています。
スミレの種にはアリを誘引する物質が含まれており、分散の手助けをさせているそうです。
以前、自然に咲いた庭のスミレを移植して群生させようとしましたが、うまく根付きませんでした。
人の力より、アリの力のほうが有効なのでしょうか。
自然に任せるのが最善だと実感しました。
可憐な容姿とは裏腹に、しっかりと自立する花だからこそ、古来より人々が心惹かれたのでしょう。
雑草ファイル
スミレ 可憐