御形・ハハコグサ
ハハコグサは、春の七草の「御形(ごぎょう・おぎょう)」のことです。
母親が我が子を優しく包み込むような姿からハハコグサと呼ばれています。
御形の「形」は人形(ひとがた)のことで、3月3日の節句に母子の人形と、ハハコグサでつくった餅は母子餅が供えられたことから、御形と呼ばれるようになったそうです。
草餅の材料としては、母と子を臼と杵でつくのは縁起が良くないと、ヨモギに代わっていったといわれます。
全体を覆う白い綿毛が「ほおけ立つ」ことから、蓬子草(ほおこぐさ)と呼ばれ、それがハハコグサに変化したという説もあります。
俳句の春の季語で、高浜虚子の「老いて尚 なつかしき名の 母子草」など、優しい気持ちになれる名句がたくさんあります。
その生態は、秋に芽を出し、日当たりの良い場所でロゼットで越冬し、春に根元から数本の茎を伸ばす、越年性の1年草です。
食用にもなり、かわいらしい容姿のおかげで、日本全国に分布しているハハコグサ。
なかなかしたたかな「ぶりっ子」かもしれません。
雑草ファイル
ハハコグサ ごぎょう