依正不二(えしょうふに)
「依正不二」とは、自然環境(依報(えほう))と、そこに暮らしている衆生(正報(しょうほう))とは切り離して存在できないと考える仏教の思想です。
衆生とは私たち人間をはじめとする生きとし生けるものです。
その衆生が仏さまの御心に従って生きていればこの世界も仏の国になり、逆に衆生の心が乱れていれば、神仏から見放され自然災害が起こり、国土が乱れていくと考えるのです。
環境汚染や異常気象は、人の欲望が増大し自然が破壊された状況、つまり正報の乱れが依報に及んだ結果だと理解できると思います。
しかし地震や津波は、人心の乱れが引き起こすものではないと現代人は考えるでしょう。
大地震は必ず起きるもの。それがいつどこで起きるかを正確に予想することはできません。
人々は災害に対する備えを忘れ、便利さだけを追い求めています。人口も経済も一極集中している大都市を大地震が襲ったら、まさに神仏から見放された状況になることでしょう。
そうなる前に「依正不二」を自覚し、日々の備えを進めてください。
依正不二
依正不二 大地震