東日本大震災追悼法要と防災研修会 東日本大震災追悼法要 東日本大震災 防災研修

東日本大震災追悼法要

東日本大震災・大津波災害から丸7年を迎える平成30年3月11日(日)池上本門寺大堂において、追悼法要が営まれました。

大田区内の寺院や各宗教団体の呼びかけに応じて被災地に思いをはせる方々約100名が参列されました。

犠牲者の冥福を祈り、被災地の復興を願い、皆で心一つにおつとめをしました。
失われたかけがえのない命と、そこにあったそれぞれの暮らしに想いをはせ、災害の教訓とともに忘れてないようにしなければならないと心に刻みました。

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防災研修会「大田区の防災計画ー行政・寺院・地域の連携ー」

法要後、大堂下大広間に移動し防災研修会が開催されました。

東京が大地震に襲われたと想定して、大田区ではどのような防災計画が進められているのかを確認し合う趣旨で、シンポジウム形式にて意見交換がなされました。

パネリストは、
・大田区災害支援ボランティア調整センター 小野紀之氏
・池上地区まちおこしの会 佐藤孝志氏
コーディネーターは永寿院住職 吉田尚英が務めました。
以下、主な意見を羅列します。

・災害時に地域と行政が力を併せて事に当たることは当然だが、行政による「公助」には限界があり、ご近所で助け合う「共助」、自分のことは自分で守るという「自助」が重要になる。
・大田区と池上本門寺との「防災協定」では、本門寺は災害時に公共の避難所を補完する形で「朗子会館」を施設提供をする、救助用大型車両などの駐車場所を提供するなどのことが提携されている。
・被災地支援活動の中で体験した被災地のナマの話を通して、地域防災学習の重要性を伝えている。
・避難所に食べ物を持ち寄ることによって被災者が支援者になる。
・以前、区内で「避難所開設訓練」をおこなったが、備蓄倉庫の内容が記録と違うなど様々な問題が見つかった。
・日常の備蓄や訓練参加こそが「自助」、災害発生後の避難や避難生活が「共助」。東日本大震災でも家庭の備蓄品が流されたときに役立ったものは、普段から身に着けているもの。日常携帯品と非常持出品、備蓄品。この3つを分けて準備を!
・被災した人たちは自分と同じ思いをしてほしくないとの思いから、備蓄や訓練の重要性を訴えている。
・岩手県釜石市で千名以上の大人が亡くなったのに対して、子どもたちにほとんど死者が出なかったのは、日頃の訓練の成果だった。訓練をせずに頭で理解した大人たちが亡くなった。だから釜石市の人たちはこのことを「釜石の奇跡」ではなく、「釜石の必然」と呼んでいる。
・災害支援ボランティア調整センターメンバーは、家族の安全が確認できたら、例えば、池上本門寺に行って、避難者受入れの手伝いをしながらメンバーが揃うのを待つ。そしてその後、資機材をもってサテライト(災害ボランティアセンターの作業拠点)を開設。それが住民と協力して「被災者」から「支援者」になる第一歩である。また、外部からのボランティアとの調整をする。
東日本大震災の際に指定避難所以外の私設(自主)避難所となった寺が多数ある。いざ寺院が避難所となったら運営に際し、代表者・事務局員を選定し、住職は施設管理者として事務局を補佐する立場にいるのがよいという報告がある。しかし、現実に近い訓練をしてみなければその意味が伝わらないだろう。


災害が起こらないでほしいと祈るのは当然ですが、災害は必ず起きるのものだと考えて物の備え・心の備えをしなければなりません。            
今後、地域と寺院による「共助」を体験できるような現実的な訓練を実施し、日常の「自助」につなげていきたいと思います。
もしもその時、それが「池上の必然」となるように…

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