いのちに合掌
むかし常不軽(じょうふきょう)という菩薩がいました。
この菩薩は出合う人、誰にも分け隔てなく、合掌礼拝しながら言いました。
「私はあなたを敬います。あなたは仏さまになる人です」
しかし、合掌された人はびっくりして「そんなことはあるわけない」と悪口を言い、棒で打ち、石を投げつけます。
それでも常不軽菩薩は、怒ることもなく「あなたは仏になる人です」と拝み続けたといわれています。
この行ないを「但行礼拝」といい、法華経の『常不軽菩薩品第二十』というお経に説かれている内容です。
日蓮聖人は但行礼拝こそが世の中に必要な人の道だと説かれました。
一人ひとりの中に仏がいて、仏になる素質は誰にもそなわっていると信じ、心からの合掌をする。
それが「いのちに合掌」です。
敬いの気持ちを持って人と接し、悩み苦しむ人に寄り添い、社会に向けて行動する。
「いのちに合掌」を心がけて生活しましょう。
但行礼拝
常不軽菩薩 いのちに合掌