モチベーション 生きるためのモチベーション 舎利弗

生きるためのモチベーション

モチベーションとは、物事を行なうための動機や意欲につながるもの、目的に向かって行動を維持する気持ちです。

年齢を重ねると体調の変化や健康状態、収入の減少などにより、やりたいことが思うようにできなくなってきます。
そして、病院や施設に入居し、誰かの世話になることになったら、生きるためのモチベーションが低下して、早くお迎えが来てほしいと思うようになってしまうかもしれません。
 
人は生老病死から離れることはできません。思い通りにならないのが自分のいのちです。
老いや病で体の自由がきかなくなったときに、心の自由も失わないようにモチベーションを保つ方法を考えてみましょう。

仏道のモチベーション

仏道修行をする上での目標、最終目的地は仏に成ることです。
仏典に登場する修行者たちが、後戻りすることなく仏道を進むモチベーションは何でしょう。

お釈迦さまの十大弟子のひとり、舎利弗はいくら修行を積んでも仏に成れないと自分を責め、思い悩んでいました。
仏の教えを学び、煩悩を滅し、悟りを得ても、それだけでは仏に成れないと思い込んでいました。
舎利弗はお釈迦さまの法華経の説法を聞いて真実の教えに気づきます。
そして、お釈迦さまから遠い未来世に必ず仏に成れるとのお言葉をいただきました。
舎利弗にとって、そのお言葉が仏道の果てしない道のりを歩む力、モチベーションとなったのだろうと想像します。
 
私たち凡夫は自分が仏に成れるとはにわかに信じられません。
しかし、私たちもお釈迦さまのお言葉を信じることから始めるしかありません。
いつか仏に成れると信じる心がモチベーションになると思います。
 
「南無」は「帰命」と訳し、信じる、敬う、願うという意味が含まれています。
「合掌」はその気持ちを表す動作です。
「南無妙法蓮華経」と合掌して唱えるときには、法華経に説かれている仏さまの言葉を信じ、敬い、仏に成れるまでお守りくださいと願うのです。
日々お題目を唱えていると、仏道のモチベーションを維持にもつながると思います。

誰かの役に立ちたい

仕事や日常生活を通して誰かの役に立っているという実感を持っている人は、生きる上でのモチベーションも高いと思います。
ボランティア活動をしたり、金品を寄付したり、誰かの役に立ち、それを評価されることによってモチベーションは高まるものです。
 
仏教の修行に「布施」があります。金品を施すだけでなく、労働力や思いやりのあるしぐさなどを提供することも布施です。
布施によって他者の役に立つと、他者の喜びが自分の喜びに感じられると思います。
そして、施すと同時にその物事に執着する心を捨てることにもなるので、「布施」のことを「喜捨」ともいいます。

誰かの役に立ちたい、他者の喜びを自分のものとできるように日々過ごす。
そのためにはまず人に感謝すること。
そしておかげさまとお返しすることが大事です。
感謝する心が自然に身に着いてくると、感謝されることを望む気持ちも消えて、自然と人から感謝されるようになっていくものです。

老いや病で動けなくなったときにも、世話をしてくれる人に感謝の言葉を伝える、認知症が進み言葉で伝えられなくなっても感謝の笑顔を投げかける。
そして、それを自分の喜びとできれば、生きる力、モチベーションになると思います。

そのためには、元気なうちから、仏さまのような笑顔を身に着けるよう心がけておく必要があります。
間もなくお彼岸です。お題目を唱えモチベーションを高めて、仏さまの笑顔を意識しながら喜捨の修行に励みましょう。

モチベーション

モチベーション 舎利弗

モチベーション生きるためのモチベーション