二十四節気と七十二候 小雪
二十四節気とは、冬至を起点に一年を24に分割したものです。
まず、冬至と夏至が一年を2つに分割。さらに春分と秋分で4分割されて、春・夏・秋・冬となります。
各季節の開始を立春・立夏・立秋・立冬と名付け、8分割に。さらにその8分割したものを3等分すると、約15日の期間で分けられる二十四節気となります。
二十四節気をさらに5日ごとに分けたもので、気候の細やかな変化を表現しているのが七十二候です。
新暦11月22日は旧暦の十月九日に当たります。二十四節気では小雪(しょうせつ)。
雨が冷たくなり、少々の雪が降り始める頃となります。関東では木枯らしが枯れ葉を舞い散らせ始める頃です。山形に住む友人からはもう雪が降り始めているとのメールが届きました。まさに小雪なりですね。
七十二候では 第五十八候・・・虹隠れて見えず。
太陽の光が弱くなってくるため、虹が出なくなるとの意。
朝晩の冷え込みが日に日に増してきます。だんだんと冬至に向かって、日が短くなってきているので、太陽の力が弱くなっていると捉えたのでしょう。
旧暦で知る玄猪の祝い
十二支の亥は最後干支ですが、旧暦の10月はなぜか亥の月。古くは中国の漢の時代にずれたとか・・・諸説あるそうです。
昔は、亥の月(旧暦の十月)の亥の日に、無病息災を祈って、また、多産の亥にあやかり、亥の子餅を食べる風習があったそう。これを「玄猪(げんちょ)」の祝いと言い、平安時代頃から江戸時代頃までの風習とされていたようです。丁度、今年の亥の日は11月22日。玄猪の祝いをご存じでしたか?現在ではあまり聞いたことがないのは、新暦になってしまったことが一つの理由でしょうか。昔のこどもたちにとっては楽しい行事だったようです。
また、亥は五行陰陽説で「水」にあたることから、亥の月の亥の日に火を使い始めると火難に合わないと言われ、この日に炉開きをするという風習があったのだそう。炬燵に火を入れ暖を取り始めた日でもあったようです。
昔は、火事と言えば江戸に付き物と言われたほど多く発生しました。関東地方はこの季節、関東名物からっ風が吹き荒れはじめますから、もし、どこかで火の手が上がれば、連なった長屋などひとたまりもなかったことは想像に難くはありません。火の大切さと同時に、火の怖さも知っていたからこそ、昔の人にとっては大切な風習だったのかもしれませんね。
電気で暖を取ることの多い今の私たちも、勿論気を付けなければなりませんが。
七十二候で季節を感じる 小雪
七十二候 旧暦