七十二候で季節を感じる 立春 二十四節気 立春  立春 二十四節気

二十四節気 立春 

立春

 春の気たつを以て也 (こよみ便覧)

寒さの中に、ふと、春の気配が感じられる頃。
2月4日は立春です。2013年の立春は、旧暦で十二月二十四日に当たりますから、年内立春

年の内に 春は来にけり ひととせを 去年(こぞ)とや言はむ 今年とや言はむ
(年の内に立春を迎えた年の瀬を、今年と言うべきか、来年と言うべきか)

在原元方(業平の孫)「古今和歌集」


旧暦は、月の満ち欠けから月日を読む太陰暦と、太陽の周りを回る公転周期から割り出す二十四節気の太陽暦を合わせた太陽太陰暦です。太陰暦である月の周期は一朔望月が29.530589日で約29日半ですから、地球の公転周期の一太陽年356.2422日との間にずれが生じます。大体、毎年、11日ほどずれてきてしまいますので、うるう月を入れて調整しました。

旧暦の正月(睦月)は立春に一番近い朔日から始まります。
そのため、立春が正月(睦月)一日の前後20日以内の中で、毎年変動してしまうことになるのです。そういう理由で、太陽歴である二十四節気立春が、新年正月一日よりも前に来てしまったり、後になったりという現象が生じるのでした。

日本に中国から暦が伝わったのが6世紀頃。その頃から明治5年の改暦まで続いた太陽太陰暦の長い歴史の中で、農業を始め、大きな祭りや宮廷行事などが決められてきました。当時の生活に根ざした旧暦を学ぶことで、古えの人びとがどんな生活を送っていたのか、どんなことを感じていたのかをより深く知ることができます。上記の歌は、古今和歌集の巻一の最初の歌として選ばれました。春の歌の中で、筆頭に載せるべき歌にふさわしいと言うべきか賛否はわかれるようですが、当時の人々の、暦に対する素直な気持ちが表れています。




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七十二候 第一候 東風解凍

七十二候 立春初候 東風解凍
2月4日~8日頃

東風は(とうふう)とも読みますが、(こち)と読むほうが多いでしょうか。
東風(とうふう)と聞くと、中国の故事「馬耳東風」を思い起こします。
東風とは、東から吹く風ではなく、五行説から春を現わす東ということで、春に吹く風の意味なのだとか。
しかし、ネット上で調べてみると、暦が編纂された中国中央部では春に東風が吹くとも。
一方、東風(こち)は瀬戸内海や北陸の漁師たちが使っていた言葉のようで、時化を呼ぶ強い海風なのだそう。春になると東風が吹くのかは結局はわからないままです。私にとっては立春や東風は梅の花のイメージ。東風(こち)の歌で印象的な菅原道真の梅の歌を想い出すからです。


東風吹かば 匂いおこせよ梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ


梅の花を愛した菅原道真は、その怨霊を鎮める為に、北野天満宮に祭られました。
そして、梅は菅原道真の天満宮のシンボル花となったのです。
菅原道真は今では学問の神様となって受験生を見守る役になり、受験シーズンには欠かせない存在になりました。立春の今頃になると、梅の花もようやくほころび始めます。
永寿院の梅も小さな可愛らしい蕾みが膨らみはじめています。

受験生にとっては今が一番大切な時期。春には無事、サクラが咲くよう頑張ってくださいね!


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