二十四節気 立夏 立夏 二十四節気

二十四節気 立夏

二十四節気とは
一太陽年を春分を起点に24に分割したもので、太陰暦とのずれを調整するのに使われました。12の節気と12の中気を交互に配し、春分・秋分を二分、冬至と夏至を二至とし、立春、立夏、立秋、立冬を四立として合わせて八節としました。現在では太陽の黄道上の軌道から定気法で算出しています。二十四節気は約15日ごとですが、それをさらに3等分したものが七十二候です。気候の由来である七十二候は実際に農事に役立つ目安として気象や動植物の変化等を現わしています。


二十四節気 立夏 (四月節)
5月5日頃~

「夏の立つがゆえなり」 こよみ便覧

この日から暦の上では夏となります。新緑が目に眩しく、一年でもっとも爽やかな季節となります。日本列島は細長いので、青森県や北海道ではこれからが桜の満開になる季節。九州では3月末の桜開花でしたから、おそよひと月の差。
今年は、梅の開花が桜の開花よりも遅かったようで、梅と桜の両方の花見が楽しめるのだそう。ゴールデンウィークにお花見が出来るのも良いですね。
関東はすっかり葉桜ですが、こいのぼりが新緑に栄えて気持ちのいい風と共に青空を泳いでいます。これからサツキや芝桜が満開になる頃です。菖蒲や牡丹やクレマチス、藤の花といった紫色のきれいな花々も咲きはじめます。シャクナゲや薔薇も楽しみですね。


さて、唱歌「夏は来ぬ」は、立夏と聞くと思い出すことのひとつ。
私は一番目の歌詞しか覚えていなかったのですが、佐々木信綱作詞のこの歌は5番まであります。立夏にふさわしい清々しい詞ですね。

夏は来ぬ

卯(う)の花の、匂う垣根に
時鳥(ほととぎす)、早も来鳴きて
忍音(しのびね)もらす、夏は来ぬ

さみだれの、そそぐ山田に
早乙女(さおとめ)が、裳裾(もすそ)ぬらして
玉苗(たまなえ)植うる、夏は来ぬ

橘(たちばな)の、薫る軒場(のきば)の
窓近く、蛍飛びかい
おこたり諌(いさ)むる、夏は来ぬ

楝(おうち)ちる、川べの宿の
門(かど)遠く、水鶏(くいな)声して
夕月すずしき、夏は来ぬ

五月(さつき)やみ、蛍飛びかい
水鶏(くいな)鳴き、卯の花咲きて
早苗(さなえ)植えわたす、夏は来ぬ

佐々木信綱作詞・小山作之助作曲

5番まで歌っていますので聴いてみてください。
http://www.youtube.com/watch?v=0sYBwWgoDC4

二十四節気 立夏 立夏 二十四節気

七十二候 立夏初候 蛙始めて鳴く

立夏 第十九候 蛙始鳴
5月5日~9日頃

「カエルはじめてなく」と読ませます。
大衍暦・宣明暦では第十九候 が「螻蟈鳴(ろうこくなく)」となっており、貞享歴では「鵑(ほととぎす)始鳴」。宝暦暦・寛政暦より「蛙始鳴」となります。
「ろうこく」の螻はケラ、蟈はキリギリスのこと。中国では、虫たちが鳴きはじめるほうが強いイメージだったのでしょうか。

ホトトギスといえば、
「目には青葉 山ホトトギス 初鰹」山口素堂(1642~1716)の俳句が思い出されます。
夏の到来と共に鳴くのはホトトギスというのが主流認識だったようで、昔からホトトギスを詠んだ短歌や俳句は大変多く、『万葉集』では153もの歌が詠まれています。この頃に花を咲かせる、橘や卯の花と合わせて詠まれたものが多いようです。

http://www.youtube.com/watch?v=2F_KfMB5lOs 
ホトトギスの鳴き声です。YouTubeにありました!

オケラやキリギリス、ホトトギスよりも、カエルの鳴き声が七十二候で優先された宝暦歴・寛政歴。田圃や水辺が多かった日本では、カエルの鳴き声が立夏の目安だったのでしょう。
カエルたちはこの季節に雄が雌を恋しがって鳴くのだそう。カエルの恋の季節は蛙合戦と呼ばれるほどで、水辺では産卵期の雌の争奪戦が繰り広げられるようです。
永寿院のカエルたちも昼夜を問わず合唱を始めることでしょう。



七十二候 立夏 次候  蚯蚓出づる
立夏 第二十候 蚯蚓出
5月10日~14日頃

「きゅういんいずる」と読ませます。きゅういんとはミミズのこと。貞享暦や略本暦では「ミミズいずる」と読ませます。
ミミズが這い出てくる頃。
5月第2日曜日は「母の日」です。日本では赤いカーネーションが母の日のシンボルですが、起源とされるアメリカでは「白のカーネーション」だったのだとか。こどもの頃、小学校で配られた造花の赤いカーネーションに「おかあさん ありがとう」とメッセージを添えて渡した記憶のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。なかなか日頃の感謝を伝えられない身近な存在の御母堂様へ、気軽に伝えることのできるありがたい日です。いなくなってからでは感謝を伝えられませんものね。私は感謝の気持ちを伝えられなかった後悔と共に、亡き母の仏壇に飾ろうと思っています。

二十四節気 立夏 立夏 二十四節気

七十二候 立夏 末候 竹笋生ず

立夏 第二十一候 竹笋生
5月15日~20日頃

「ちくかんしょうず」「たけのこしょうず」と読ませます。文字通り筍が伸びる頃です。
近所の竹林には筍泥棒がいるようで、「とらないで!」の張り紙とともに厳重に網が張り巡らされていました。筍はてんぷらにしたり焼きもの煮ものなど、日本料理人気の食材です。筍の種類は約70種もあるそうです。孟宗竹が有名ですが、日本原産は真竹が多く、西日本には淡竹も。被子植物のなかでも一番成長の速い筍は、一晩でぐんと伸びることも。伸び盛りのこどもの身長のようですね。




こどもの日

五月五日はこどもの日です。
男の子の出世と健康を願って、旧暦五月(新暦では6月初旬)の午の日に端午の節供として祝われる行事です。旧暦の午の月である五月の最初の午の日を節句として祝っていたものが、のちに5が重なる午の月の5日に端午の節句の日として祝われるようになったのだそう(ウィキペディア参照)。

鯉の吹き流しが庭に掲げられるようになったのは江戸時代頃からで、中国の黄河にある「龍門」と呼ばれる急流を上った鯉は龍になれる・・・という伝説から。
「登竜門」の語源にもなっています「鯉の滝登り」は、男児の立身出世を願って、もとは雨の日に掲げられたのだそうですが、今では晴れた青空に泳ぐ鯉のぼりのほうが強いイメージとなっています。こいのぼりが青い空に泳ぐ様は気持ちのいいものです。
子孫繁栄を願う柏葉に包まれた柏餅やちまき、邪気を払うといわれる菖蒲など、清浄、お浄めとしても大切にされた行事です。

二十四節気と七十二候 立夏

立夏 二十四節気

二十四節気 立夏二十四節気 立夏