二十四節気と七十二候 大暑 二十四節気 大暑 七十二候 大暑

二十四節気 大暑

大暑

二十四節気 大暑
(六月中)

7月23日~8月6日頃
暑気いたりつまりたるゆえんなれば也((こよみ便覧)

暑気が至り、それゆえに最も暑さが厳しい頃。
今年は小暑からすでに35度を超えている所が多く、山梨や群馬では39度を超えるなど例年にない暑さに見舞われていました。
大暑を迎え、暑さがさらに増すのかと思うと気が遠くなりそう。



お中元

「中元」とは三元(上元・中元・下元)という一年の雑節のひとつ。
上元が1月15日に、中元が7月15日に、そして下元が10月15日に祝われたのだそう。

もともとは古代中国の道教の三官信仰(三元思想)で、上元に天官(堯)を、中元に地官(舜)を、下元に水官(禹)を讃えた行事が執り行われました。そのうちの「中元」は罪を許す日とされ、祖先の霊を供養する仏教の「盂蘭盆会」と習合されて現在に至ります。

「お中元」は、中元で祖先にお供えしたものを親戚、隣近所に配るようになったことが始まりとも。
さらに、江戸時代頃にはお盆のご挨拶(盆礼)として、商い先やお世話になった方へ贈り物を贈る習慣が確立されていきました。本来は旧暦の7月15日の行事ですから、改暦後の新暦では8月中旬の頃までにお中元を贈ることになってきたのだそうです。

三元は一年を三分割していて上元は6か月、中元と下元では3か月とに分けているのがちょっと不思議ですね。満月の15日にお祝いをしていたということから暦の雑節の役割を果たす大切な行事だったのだと想像できます。

「盂蘭盆会」については永寿院吉田ご住職がこちらでお話くださっています。
http://www.eijuin.jp/News/view/1/34




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七十二候 大暑次候 桐始結花

七十二候 第三十四候 桐始めて花を結ぶ

7月23日~27日頃

「きりはじめてはなをむすぶ」と読ませます。

桐というと、花よりも材木として桐の箪笥が先に思い浮かんでしまいますが、私たちが気づかないほど身近にあるのが桐花の紋章です。
「五七の桐紋」は日本政府の紋章として現在も使用されており、中央に桐花の数が七個、その両脇に五個づつ並んだ紋です。
桐は鳳凰がとまる神聖な木とされ、天皇家の副紋とされたことから政権を担当する重要な紋として歴史的に大切にされてきました。現在でも内閣総理大臣の紋章として官邸の備品や演台に取付けられるプレートに使われていますし、パスポートにも桐紋が入っています。
桐の紋は室町時代には足利尊氏も使い、さらに豊臣家(五三桐)も、また徳川家も使ってきた政権担当者が持つといわれる紋ですが、現代でもその紋が続けて使われているのですね。

桐の意匠は唐紙のデザインとしても好まれ「茶方好み」などは特に桐が多様され、様々なものが伝えられています。千利休が好んで使ったのも「千家小桐」の紋でした。
また、紋ではありませんが、身近な所では500円玉に桐がデザインされているのでゆっくりとご覧になってみてください。



七十二候 大暑次候 土潤溽暑

七十二候 第三十五候 土潤いて溽暑す
7月28日~8月1日頃

「つちうるおいてじょくしょす」と読ませます。

溽暑(じょくしょ)と読み、湿気が多くて蒸し暑いことを表しています。
土潤も地中から水分が蒸発する様を表していますから、二重の表現を用いるほどの蒸し暑さなのですね。
今年は7月7日の小暑からいきなりの猛暑で、あまりの暑さに熱中症などで病院へ運ばれた方も多数出たほどでした。暦の上では大暑の方が暑いはずですが、最高気温は多少下がってきたようです。

この時期は花火大会やお祭りも多く、浴衣を着て出かける女性の姿を良く見かけます。
浴衣は湯上りに着た湯帷子(ゆかたびら)の略。昔は大麻や苧麻、芭蕉布などが素材だったそうで、汗を良く吸う為湯上りに着たそうです。最近は大手量販店などでも随分手軽に買え、生地デザインも豊富になってきました。着物を着る習慣が無くなりつつある現代ですが、若者が浴衣を好んで着てくれて、さらに自分に似合うようなアレンジをしたりしている様子はとても好感が持てます。


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七十二候 大暑末候 大雨時行

七十二候 第三十六候 大雨時行う
8月2日~6日頃

「たいうときどきおこなう」と読ませます。

この時期には驟雨(しゅうう)、いわゆる夕立のような短時間に強く降る雨が降りやすくなります。
その中でも特に雨量が数十分で数10mmに達する強いものを「局地的大雨」、数時間で100mmを超えるような激しいものを「集中豪雨」と呼ぶのだそう。
近頃頻繁になった「ゲリラ豪雨」は、都市部のヒートアイランド現象が原因とされるものを呼ぶようになったのですが、果たして驟雨の仲間になるのでしょうか。

夏越の祓 

旧暦の水無月(六月)末日には夏越の祓の行事が行われました。
現在では正式な旧暦の暦は存在しませんが、今年を旧暦で表すと8月6日が夏越の祓にあたるそう。今は新暦6月末頃に夏越の祓を行う所が多いようです。

夏越の祓は茅の輪を作り、魔除けのまじないとしますが、その両脇にあるのが笹の葉です。この笹の葉に願い事を書いた短冊を下げて、芸事の上達を願い七日の朝に川の水に流したのが七夕の行事の初まりだそう。
水による禊や祓いは古来から伝えられており、旧暦七日に水浴びをしたり井戸を祓う風習がありました。
一説には七夕は「棚旗」から由来し、この日に祖先を祭った棚旗を設けたのだとも。

今では「七夕まつり」「星まつり」を月遅れの8月に行うところも多くあります。本来旧暦では立秋の頃の行事でしたからこちらの方が二十四節気の利にかなっていると言えます。

7月に東の空にあった夏の大三角形のデネブやアルタイル、ベガも、8月には夜間に頭上に見えるようになります。旧暦七日に出る月は上弦の月です。織姫と彦星はカササギに乗って・・・ではなく上弦の月の船で天の川を渡ったのかもしれませんね。

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