「世間の法に染まらざること蓮華の水に在るが如し」
妙法蓮華経従地涌出品第十五
「世間の法に染まらない」とは、私達がまわりの人と共に生活をしていく中で、世間の様々な出来事に影響されたり、人々に感化されないようにすることをいいます。
「蓮華の水に在るが如し」とは、蓮は水上に可憐な花を咲かせ、清らかな香りを放ちます。
しかし、その根は水の底にたまった泥の中にあり、花は泥の汚れも、臭いもしません。
つまりあらゆる条件の人々と一緒に生活しながらもその影響を受けず、世間の汚れに染まらず、常に仏様と同じ清らかな心持ちで暮らして行くことを心掛けよ、とのおさとしであります。
とかく人間の心はその環境に左右され、世間に溢れる様々な欲に動かされる事が多いものです。
だからといって世間の人をまったく無視し、自分だけが煩わしい世俗をはなれて一人山の中に生活するのでは、仏様の正しい教えが意味の無いものになってしまいます。
世俗の中に身を置きながらその汚れに染まらずに、仏様の最たる教えである法華経を守り、強い信念を持ち、南無妙法蓮華経のお題目の心で生活する。
このお経文はこのことを強くすすめておられるのであります。
法華経の言葉
蓮華 法華経