よりよく生きることは、すべてを生かすこと 「質直意柔軟 一心欲見仏 不自惜身命」 不自惜身命 一心欲見仏

「質直意柔軟 一心欲見仏 不自惜身命」

法華経如来寿量品第十六、『自我偈』の一節「質直意柔軟 一心欲見仏 不自惜身命」(質直にして意柔軟に 一心に仏を見たてまつらんと欲して 自ら身命を惜しまず)からの拝受です。

前回は、苦しみや悲しみが降り懸かって来た時には、み仏に見守られつつ自らの力で乗り越えていかなければならないとお伝えしました。

今回のことば「質直・柔軟」とは、仏さまが私たちをさとされたご教示を素直に自分が出来ることがら一つ一つに心を打ち込んでやろうという心持ちで、自らが精一杯生きることをいいます。

「一心に仏を見たてまつらんと欲す」とはその気持ちを引き出そうという心構えを教えています。
そして「身命を惜しまず」という自らの全てをなげうつ心持ちがそこには必要なのです。

「南無」という言葉があります。
帰命、つまり自らの身命を捧げるくらいの心持ちで教え従うことです。

日蓮聖人は『事理供養御書』の中で、「南無とは、インドの言葉であり、中国や日本では帰命と言い、自らの命を仏さまに奉る事である」とご教示されています。

自分のいのち(自らの心中にある仏心)に南無をすることは、ひるがえってみればすべてのもの“いのち”を生かす原動力であるのです。

法華経の言葉

不自惜身命 一心欲見仏

よりよく生きることは、すべてを生かすこと「質直意柔軟 一心欲見仏 不自惜身命」