自ら求め他にも知らしむ これ成佛への道なり この菩薩はまた千万億の衆を化して阿耨多羅三藐三菩提に住せしむ 常不軽 自他共に

この菩薩はまた千万億の衆を化して阿耨多羅三藐三菩提に住せしむ

法華経「常不軽菩薩品第二十」の一節です。

常不軽菩薩というお方は私たちの想像もつかない永い時間をかけ、数え切れないほど大勢の人を教化されました。
自らもまた、たくさんの仏さまに仕えてみ教えを拝受され、悟りの境地に至ったのです。

このことを私たちの仏道修行にあてはめて考えてみますと、「自覚」と「覚他」に分かれます。「自覚」とは、自ら仏法を理解し目覚めること、「覚他」とは、他に仏法を説く中で目覚めることです。
常不軽菩薩はまさにこのご修行をなさったのです。

私たち僧侶は、自分である程度み教えを理解したところで、他の人にお説きするのですが、人に説いてみると自分の至らないところがたくさんあることに気付かされます。
そこでまた、学問をし修行をした上でまた、説かせていただく。

それを繰り返していくうちにいつの間にか自分の心に迷いがなくなり、仏さまの境地に近づいていくと教えられています。

このことは在家の皆さまにもあてはまることと存じます。
自分の仕事をしている間に自然にそれが人の為になり、人の世話をしているのがいつの間にか自分の為になっている。

自他が相互に関わり合って一つになって行く、その行き着くところがつまり仏さまの境地であり、「自他共に」という法華経の精神にあたります。
常不軽菩薩の行為はこのことをお示しくだされているのです。

法華経について

常不軽 自他共に

自ら求め他にも知らしむ これ成佛への道なりこの菩薩はまた千万億の衆を化して阿耨多羅三藐三菩提に住せしむ