この法華経は 全ての求道者に 安心を与える当知是法華経 大饒益諸菩薩摩訶薩 能令至於阿耨多羅三藐三菩提

当知是法華経　大饒益諸菩薩摩訶薩　能令至於阿耨多羅三藐三菩提

妙法蓮華経常不軽菩薩品第二十からの引用です。

仏さまはあらゆるかたちをもって法華経とのご縁を結ばせようとなさいます。
たとえそれが法を謗る（そしる）者であってもです。
仏さまは大衆の前で、み教えをお説きになられましたが、その場所には前世で仏さまを謗った者もいたのです。
仏さまはすべての人に大慈大悲の大いなるおこころをもって、自己の反省と確認を促し、それによって再会を果たし、仏に成る道に入らしめたのです。

仏さまからいただいたご縁によって法華経と出会う機会をいただいたのです。
これは偶然ではなく必然であります。この仏縁には「順縁（じゅんえん）」といい、素直に聞き入れられご縁をいただくこともあれば、「逆縁（ぎゃくえん）」といって、仏さまとそれに順ずる方々を謗るというかたちでみ教えとのご縁をもち、いつか必ず仏さまの救いにあずかることができる。
いかなる悪人であろうとも、仏さまは決して見離さない。
悪人であればあるほど、仏さまは積極的に慈愛の手をさし延べ、普く救いとろうとするのです。

私たちの普段の言動で大なり小なり罪をつくっています。
しかし一般に言われるような罪以上に、重大な罪は法華経を謗ることであると日蓮聖人はお示しになられました。

今私たちも仏に成なる機会を与えられているご縁に気付き、それぞれの立場で自らのいのちを精一杯に生かしてゆくことを願われ、私たちにこのいのちを授けられました。
その仏さまのお心こそ、この法華経です。