お会式1日目
今年は第731回目の宗祖お会式。
毎年、池上本門寺では日蓮聖人ご入滅の10月13日に合わせて3日間の法要が行われ、その規模は何と参拝者30万人とも! 特に池上本門寺の「万灯練行列」は有名で、お会式2日目の夜には周辺の交通規制や本門寺境内もすべて一方通行。池上の町が大変な混乱と賑わいを見せる一大イベントです。
第1日目は「歴代先師聖人並びに池上法類・池上護山会先師報恩法要」と「納経十種供養式法要」の2回の法要。納経十種供養式法要では、写経の会のみなさんが一年かけた写経が奉納されます。法要はそれぞれ約1時間。堂内にお坊さんたちの読経の声が一斉に響き渡ります。
それぞれの法要は自由に参拝可能なので、私も大堂内に入って静かに式の様子を見守ります。厳かな雰囲気に圧倒されるようです。
午後12時半からは大田区妙徳教会、今井忠彰師による「鶴林(かくりん)の霊地 池上」と題した法話があり、日蓮聖人御入滅までの経緯や、この池上の地で病にかかり、死を覚悟した際の様子など情景の浮かぶようなお話を拝聴することができました!
お会式2日目
2日目はいよいよ「万灯練行列」! 今晩の美しい万灯と華やかな祭りを楽しみで、私は朝からワクワクしていました。
午前10時から「宗祖御更衣法要」。池上本門寺大堂にいらっしゃる日蓮聖人御尊像のお衣替えの儀式です。ぜひ近くで拝見したいところでしたが、それは叶わないこと。
午後12時半からは、大磯町延台寺の中島源吾師による「子供には苦労させろ」と題する法話。ご自身のアメリカでの経験をもとに、「個人主義と自己中心主義は違う」など、貴重なお話を拝聴。
午後2時から「宗祖報恩御逮夜法要」、夜にはいよいよ楽しみにしていた「万灯練行列」です!
私は、お会式参拝ツアーに参加していたため、光る「お会式桜」を手に大堂内へ入り、うちわ太鼓を叩きながら唱題行。
境内はどこもかしこも規制線が張られ、大変な混雑。大堂から外へ出てみると、桜花で飾った数々の万灯が人々の間を進み、「まとい」と呼ばれるものを振りかざして踊る人たちが見えます。
この光景を、日蓮聖人がどこからか見ていたら何と思ったでしょう。とにかく楽しげで、不思議な熱気に包まれている池上本門寺。
境内はすべて一方通行で、一度出たらもう再び入ることはできません。夢のように通り過ぎてしまう、ひとときです。
お会式3日目
3日目の「宗祖御入滅(第731遠忌)御正当法要(特別説教・臨滅度時法要)は午前7時から。
早朝の電車の中で、「昨日は大堂まで辿り着かなかったよ」と残念そうに話す人の姿も。池上本門寺では、昨晩から徹夜で唱題行が行われており、一晩中本門寺で過ごす人もいます。
池上本門寺に到着すると、すでに堂内には人が溢れており、静かに時を待ちます。
最後の法要では日蓮聖人のご生涯の法話があり、ご臨滅時に近づくにつれ、語り手の調子も徐々に盛り上がってきます。そして日蓮聖人ご入滅時に、六老僧日昭聖人が打たれた臨滅度時の鐘にならい、鐘が打ち鳴らされるのです。
一斉に頭を垂れ、合掌――当時の日蓮聖人の弟子たちも、このように合掌し、聖人を囲んでいたのでしょうか。そんな光景が頭によぎります。
この御臨滅度時の法要は本門寺でしか行われず、ユーストリームにて世界中にインターネット配信されています。
こうして、3日間にわたる池上本門寺お会式は終わりました。
緊張と祭りの騒ぎと、最後のご臨滅度寺の鐘。3日間を思い起こすと、一つの物語のような気がします。同じ現代を生きている人々が、こうして過去の人を偲び集まる機会はかなり貴重なもの。伝統行事の中でも、これだけの規模で3日間にわたるものは珍しいのではないでしょうか。
今も昔も引き継がれていることの意味をよく考え、大切なことを次世代に伝えていきたいと考えさせられる3日間になりました。
(記者 Y.S)
お会式三日間レポートについて
本門寺 お会式