偉大なるマンネリ
お寺では、千年以上、ずっと同じお経を、毎日毎朝読み続けています。
平安時代に写経されたお経と、今私たちが読んでいるお経は、まったく同じです。
同じことを毎日毎日繰り返してきた結果、何百世代にわたって、仏さまの貴重な教えが受け継がれてきたのです。
朝早くから通勤電車に揺られて仕事に行き、残業して夜中に帰ってきて、「ああ、俺の人生、何なんだろう」と考え込んでしまうお父さん。
毎日毎日、ご飯を作って、洗濯をして、掃除をして、その繰り返しだけで自分の人生は終わらせたくないと思っているお母さん。
マンネリにも思えるその繰り返しが、社会を動かし、家族を育(はぐく)み、未来にいのちを受け渡す役割を担っているのです。
どんな仕事でも未来につながっているのです。
あなたの日々の何気ないしぐさや言葉が、周りの人たちに影響を与え、ときを超えて伝わり、世代を超えた大きな力になると思うのです。
一人の人生でものごとを考えてしまうと、何もしていないような気がしますが、何世代にもわたる長い時間の中で考えると、いのちをつなぐ偉大な仕事をしているのです。
私たちは、仏さまの無量の時間を生きているのですから。
偉大なるマンネリ
マンネリ 繰り返し