仏教のお話
今回の池上市民大学は、まず担任の吉田先生の仏教のお話。
日蓮聖人に学ぶ伝える力をお話頂きました。
日蓮聖人が法華経の教えを『伝える力』、現代においても非常に参考になる事を教えて頂きました。
まず、皆さんは何かを学ぶ際に、より身につくようにするにはどのようにすれば良いでしょうか?
ただ聞くだけではほとんどの方が忘れてしまうかもしれません。
しかし、見たことや、実践し体験しながら学ぶと理解度は深まると言われています。
そして、その学んだ事を人に教える事ができれば、教わった事はほぼ理解していると言われます。
この理解度を表す事をラーニングピラミッドと言い、教える側の人は伝える事がとても大変なことだと言う事がわかります。
では、教える際にはどのように伝えれば、より分かりやすく伝える事ができるでしょうか?
テレビのニュースを例に挙げると、以下の順序(逆三角形型)で伝えていくと、聞く側の理解度をより深める事ができると言われています。
1. リード(こういう事がありました)
2. 本記(詳しくはこういう事でした)
3. 理由・原因(それはこういう理由でした)
4. 見通し(○○などが調べています)
5. エピソード(ちなみにこんなことがありました)
これは、限られた時間の中で物事を伝える際に有効で、より重要性の高い情報から伝え、順序立てて掘り下げる事で、聞く側はより理解すると供に、時間がない場合でもトピックスがわかる事で『こんなことがあったのか』と認知されやすくなります。
また、長い記事やコラムの場合は、『起・承・転・結』(長方形型)で伝える事が大事です。
以上の事は現代で物事を『伝える』際のセオリーとなっていますが、この事は日蓮聖人の教えからも学ぶ事ができます。
例を挙げると、日蓮聖人から池上兄弟へ宛てた書状、『兄弟抄』と『兵衛志殿御返事』から、この『伝え方』を学ぶ事ができます。
『兄弟抄』は『起・承・転・結』の長方形型
『兄弟抄』とは、池上兄弟が父・宗親との間で起こった信仰上の争いに対し、日蓮聖人が池上兄弟に四十数枚の長文による激励の書状です。
この『兄弟抄』では、日蓮聖人が池上兄弟に対しての思いやりと法華経に対する信心を説かれていて、日蓮聖人がどれだけ優しい方だったのかがわかります。
これを受け取った池上兄弟は、自分たちの行為は間違っていないと迷う事なく法華経の信仰を貫き、その結果、父・宗親も法華経に帰依する事になりました。
四十数枚にも及ぶ書状を『起・承・転・結』にまとめた日蓮聖人の思いが、池上兄弟だけではなく、父・宗親にも伝わったのではないかと思いました。
『兵衛志殿御返事』は『ニュース』の逆三角形型
『兵衛志殿御返事』とは、日蓮聖人が池上兄弟の弟・宗長に宛てた、お布施に対してのお礼状です。
「青鳧五貫文、送り給び了んぬ。唱え奉る南無妙法蓮華経一返の事。恐々。」
(銭五貫文をお送りいただき、たしかに拝受いたしました。
ご供養に対して南無妙法蓮華経と御題目を一遍お唱えいたしました。
つつしんで申し上げます)
という、大変短い文章ですが、池上宗長公のお布施をお題目によって法華経に説かれるすべてのいのちに届けますと伝える内容です。
まさに『ニュース』形式の逆三角形型のリードで、伝えたい事の一番大事なことを完結まとめた見事な事例といってもよいかと思います。。
このように、相手にものを伝える場合、その時の状況やケースを考え、適切な伝え方をしなければなりません。
最後に、日蓮宗では『お題目』はとても大事なもので、『お題目』は球の中心、真理そのものと教えて頂きました。
700年以上も続く『南無妙法蓮華経』、大事な事が全て詰まっている『お題目』を伝えた日蓮聖人は名コピーライターだと思いました!
修了課題制作 魅せるチラシのつくりかた
二時限目は修了課題制作です。
今回は前回作成した企画書を基に、チラシ・ポスターを制作します。
まず吉田先生から『魅せる』チラシ・ポスターの制作について学びました。
『魅せる』チラシの作り方のポイントは、レイアウト、対象者絞り、言葉遣いなど、いろいろなテクニックが必要です。
例えば対象者が『親子』の場合、『楽しそう、面白そう』と思わせる言葉を使い、レイアウトも気を付けなければなりません。
今回学んだ『魅せるチラシ』になるように、修了課題のチラシを作っていきたいと思います。
本日の霊宝殿
今回の霊宝殿で特にクローズアップされていた展示物は、幕末から明治にかけて本門寺の貫主様をおつとめになられた、65世・新井日薩聖人の展示物です。
新井日薩聖人は、近代日蓮宗を築いた、本門寺の歴史を辿るには欠かせない貫主様で、墓所は担任の吉田先生のお寺、永寿院にある事から、池上市民大学ともつながりがある貫主様ではないかと思います。
池上本門寺HP「霊宝殿」のページはこちら↓
http://honmonji.jp/05topic/06info/reihoden/reihoden.html
第9期 第11回 池上市民大学体験記
池上 市民大学