仏教のお話
11月23日(土)、池上市民大学が行なわれました。すっかり秋も深まった池上本門寺は、境内が紅葉が美しいに彩られています。
1時限目はクラス担任吉田尚英先生の「仏教のお話」です。日蓮宗について、6つのキーワードを中心に基礎知識を学びました。
池上市民大学では、毎回講義の中でお経とお題目をお唱えします。いろいろな宗派の参加者がいらっしゃいますので、お経の中に込められている意味や、おつとめの作法について学びました。
難しいようですが、本日は吉田先生と一緒にお題目をお唱えして実践を交えながらの講義でしたので、言葉の難しさにとらわれず、理解を深めることができました。
環境のお話
2時限目は、環境カウンセラー小野紀之先生の「環境のお話」です。
「身近な自然観察ノート」か配られ、その中には本門寺公園に生息する鳥や虫、また樹木の種別が記されています。
鳥たちのカラフルな絵や写真をパッと見て、模様や特徴が頭の中ではわかったような気がしてしまいます。けれども自然の中で生き物たちを発見し、さらに種類まで判別するのはなかなか大変です。
小野先生から、生き物たちを見つける「コツ」を教えていただきました。
例えば虫や鳥は、鳴き声からだいたいの方向を定めてよく観察してみると見つかります。だいたいの全体像と、背が白いなど特徴的なポイントを記憶しておくと、遠くに小さく見えた鳥の姿から種類を判別することができます。
全部覚えようと気構えると観察に出かけるのも億劫になってしまいますが、小さな「コツ」だけ覚えて、あとは自然の中に飛び込んで行けば良いと考えれば気楽な気持ちで観察に出かけられそうです。
本来は南の暖かい地方にしか生息していなかったクマゼミが、本門寺公園でも観察することができます。小野先生によりますと、現在は福島県のあたりまで北上しているそうです。
このように身近に観察できる生き物たちから、地球の環境の変化を知ることもできます。
本門寺公園にてフィールドワーク
本門寺公園は縄文時代から受け継がれた森として、大田区では「縄文のみち」と呼ばれています。
本日は「身近な自然観察ノート」を見ながら、本門寺公園を散策しました。
ドングリの種類であるスダジイやマテバシイの実が落ちています。ドングリはプランターなどに植えても、ちゃんと生育するそうです。ただし広い土地に植え替えたとたん、大きくなるそうなので注意が必要です。
そんな豆知識を拝聴していますと、小野先生が枯れ葉をスコップで軽く除け始めました。
ミミズは手入れをした畑などの場合は土の中にいますが、本来ミミズは枯れ葉の下、土の表面で生活しているそうです。ミミズのフンはスポンジ状で水を多く含みます。乾燥すると蓄えられた養分と一緒に水が外に出て、土を良好な状態に保ちます。
土は植物たちにとって大切な棲家ですが、棲家を良い状態に保っているのは虫たちです。ところが人間の都合で農薬で虫を排除して、結果として土は枯れていきます。人間の「都合」がこんなところにも現れています。
○今月の霊宝殿
今月の霊宝殿は、前回に引き続き「『題目板碑と宝塔』~中世池上の法華信仰と供養~」を拝観いたしました。学芸員の安藤昌就さんからお話を伺います。
日蓮聖人の御真筆の大曼荼羅を中心に、歴代聖人直筆の大曼荼羅を拝観しました。文字の特徴や伝わっているお話から、歴代聖人のお人柄についてご説明いただきました。
詳しくは池上本門寺霊宝殿のサイトをご覧ください。→http://honmonji.jp/05topic/06info/reihoden/reihoden.html
○まとめ
夜中、飼っているコオロギが一生懸命レタスをかじっている音が聞こえたという小野先生のお話をお聞きして、急にコオロギに親しみを感じ始めました。
食料や棲家を失った生き物たちが、生きるために必死になって行動していることが、人間にとっては「害」とされます。私自身は虫が苦手で、パッと見ると「わ!苦手だな」という気がしますが、ジックリ観察してみると、目がキョトンとしてなかなかかわいらしい顔をしています。モゾモゾ不器用に動いている様子もおもしろいです。
生き物たちは自分から「自分の役割を一生懸命果たしているよ」なんて主張したりしません。それなのに、人間ばかりが「自分たちは大変だ」と文句を言っていたのでは恥ずかしいような気がします。
今日は本門寺公園のフィールドワークを通じて、自然のおおらかな気質を感じました。
8期 第2回 池上市民大学体験記
池上 市民大学