8期 第4回 池上市民大学体験記 写経・仏教のお話 池上 市民大学

写経・仏教のお話

2014年1月25日(土)、池上市民大学第4回の報告です。
野坂法章先生に写経と仏教のお話を伺います。

写経は五種法師行(ごしゅほっしぎょう)という修行のひとつです。
・受持(じゅじ)…教えを受けて持(たも)ち続ける
・読(どく)…お経を読む
・誦(じゅ)…記憶し、そらんじる
・解説(げせつ)…教えを他の方に解説する
・書写(しょしゃ)…お経を書写して教えを弘める
印刷技術のなかった時代に、書き写して教えを弘めることは重要な意味がありました。

今回写経するのは『妙法蓮華経』「見宝塔品(けんほうとうほん)第十一」の偈文「宝塔偈(ほうとうげ)」と呼ばれる部分です。

宝塔偈には、正しい教え(法華経)を正しく信仰し修行をしている者は、仏さまの子であると説かれています。
一句目の「此経難持」とは、法華経を正しく信仰することは難しいという意味です。本門寺正面の石段「此経難持坂(しきょうなんじざか)」の名前の由来でもあります。

写経する前に宝塔偈をお唱えしましたが、独特の抑揚があります。
日蓮聖人伊豆へ流罪される時のことです。
鎌倉由比ヶ浜から伊豆への海上、日蓮聖人は波に揺られる船の上で宝塔偈をお唱えになったので宝塔偈には独特の抑揚があると言い伝えられています。


8期 第4回 池上市民大学体験記 写経・仏教のお話 池上 市民大学

写経の作法

仏さまの教えの文字ひとつひとつが、仏さまそのものという意識を持って写経に臨みます。

○写経の作法
・塗香(ずこう)を手に塗り、良い香りで仏さまをお迎えする準備をします。
・軽く目を閉じ、黙照(もくしょう)をします。ゆっくりと細く長く息をして、気持ちを落ち着かせます。
・礼拝(本門三帰依文)・懺悔文・唱題三偏をお唱えします。
・写経の際は、文字に自分の息がかからないように、紙片をくわえたり、マスクなどで口を覆う覆面瓠(ふくめんこ)をします。
・丁寧に一文字ずつ書き、一行書き終えごとに筆をおき、合掌し、礼拝します。
・回向文をお唱えします。
・唱題三偏・礼拝して写経を終えます。

今回は「写経色紙」というセット教材を使っての実践でしたので、文字を間違えることもなく無事に写経することができました。写経は、御宝前にお供えします。
野坂法章先生から最後に、「写経の作法としてはみなさんカンペキです」とのお言葉をいただきました!


8期 第4回 池上市民大学体験記 写経・仏教のお話 池上 市民大学

今月の霊宝殿

学芸員の本間岳人さんにご案内いただきました。
今月1月はお正月を迎え、霊宝殿も華やかな雰囲気です。狩野派の絵師による鶴亀の描かれた掛け軸などが展示されていました。

大田区にゆかりのある川瀬巴水氏の版画も展示されていました。作品「池上本門寺」は、しとやかな雪景色の中に傘をさして池上本門寺の総門へ歩く人々が描かれていて、とても印象に残りました。
現在、大田区立郷土博物館にて、特別展「川瀬巴水―生誕130年記念―」を開催中です。(平成26年3月2日(日曜日)まで:詳細は大田区のホームページ内、大田区立郷土博物館のページからご覧になれます)

芸術家の棟方志功氏の「一遍首題」などの展示もありました。一度拝見したら忘れられないダイナミックな書です。

池上本門寺霊宝殿サイトはこちらから→http://honmonji.jp/05topic/06info/reihoden/reihoden.html


8期 第4回 池上市民大学体験記

池上 市民大学

8期 第4回 池上市民大学体験記写経・仏教のお話