第8期 第6回 池上市民大学体験記 公式ガイド認定式 仏教のお話 池上 市民大学

公式ガイド認定式 仏教のお話

2014年3月29日(土)、第8期池上市民大学、第6回の講義が開講しました。
今回は授業の前に、本殿にて公式ガイド認定式に参列しました。

○公式ガイド認定式
池上市民大学生の中から、新しく認定された公式ガイドの方々は4名です。本門寺野坂法雄執事長から、認定証と公式ガイドオリジナルベストが授与されました。
野坂執事長からお話を伺います。
六根清浄(ろっこんしょうじょう)という言葉があります。人間の感覚をつかさどる器官を、「眼」「耳」「鼻」「舌」「身」「意」に分けて六根と言います。「六根清浄、お山は晴天」を唱えながら富士山を登る習慣は、お山の神様に失礼のないように、私たちの心を清らかにして登ろうという心を表しています。「みる」には「見る・視る・観る」や、「きく」には「聴く・聞く」など異なる漢字があります。
観光という文字は、「光を観(み)る」となります。光を心の目、また魂で感じることです。
第六感を働かせて心で感じる部分を大切に、ぜひ池上本門寺の歴史の深い部分を伝えていってください、と激励のお言葉をいただきました。

○仏教のお話
4月5日(土)・6日(日)は、池上本門寺の「春まつり」です。
お釈迦さまのお誕生日の4月8日に合わせて、花まつりでお祝いします。クラス副担任の岡本亮伸
先生から、お釈迦さまのご誕生についてお話を伺いました。
お釈迦さまご誕生の詳細は、岡本先生筆の「花まつりによせて」を合わせてご覧ください→
http://www.eijuin.jp/News/view/16/254

○誕生仏に甘茶をかけるのはなぜ?
お釈迦さまが御誕生の際、天から甘露が降り注いだというお話から、甘茶をかけるようになったのだそうです。甘茶をかけることで、岡本先生はこんな心を養ってほしいとおっしゃいます。
・できないこと・・・自分のことはしていただきなさい。
・できること・・・人様のことはしてさしあげなさい。

桜の花も、私たちの目を楽しませるために咲いているわけではありません。一生懸命に生きているその姿が、私たちを幸せな気分にしてくれます。
花まつりを通して「生まれてきてありがとう」と、お互いに言い合える生き方を学び、目指していきましょう、と岡本先生はむすびました。

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環境のお話 弥生住居址見学

環境カウンセラー小野紀之先生の「環境のお話」です。「エネルギー・ごみ・水」というテーマで環境について考えていきます。
東京23区のゴミは、最終的には中央防波堤埋立処分場に埋め立てられています。私たちは、ゴミ収集場に出した後のことは、良く知らないのが現状ではないでしょうか。

大田区には、大森貝塚という遺跡があります。大昔のゴミ捨て場です。
ゴミとなった貝殻からは有害な物質は出ません。
ところが現在、原子力発電などで出る有害なゴミが大きな問題になっています。
これらのゴミは将来的にどうなるのでしょう?
私たちは、いつまでそれに責任を持てるのでしょう?
先の世代のためにも、今使っている私たちが責任を持って考えていかなければならない問題です。

また、小野先生から普段ついつい忘れがちな下水のことも教えて頂きました。
私たちは日々下水にさまざまなものを流していますが、その後、バクテリアで分解して水をきれいにするそうです。飲み残しも薄めるとバクテリアが分解しやすいというお話で、どのくらい薄めるたら良いのかという目安をお聞きして、驚きました。

○300リットルのお風呂の浴槽に換算すると・・・
・味噌汁お椀1杯・・・2.5杯分
・缶コーヒー・・・6.4杯分
・シャンプー1回・・・1.6杯分
・天ぶら油500ml ・・・560杯分
・天ぶら油大さじ1杯・・・25杯分

使う、捨てるというのは毎日の生活の中で必ず行なわれることです。
特に日本では、電気・水はいつでも使える状態で供給され、無造作に使ってしまいがちです。排水やゴミも、あっという間に自分の目に見えない場所へ消えていきます。実際のところ、様々な処理を経て、なおも処理し切れずに蓄積されていることは、ほとんど忘れています。

使うもの、捨てるゴミは最小限に、「減らす」ことを意識して実践してみることが大切です。一人一人が生活を見直すことで、大きな効果が期待できます。
今は原子力発電の代替として、自然エネルギーをどう活用するかという点に焦点が当てられていますが、まずは各個人で「減らす」意識を高めていきましょう、と小野先生はおっしゃいました。

○万両塚遺跡霊園「弥生住居址」見学
万両塚に向かい、「弥生住居址」を見学しました。昔の人々の生活に想いを馳せながら、現在の私たちの生活を振り返ります。
弥生住居址の横には、地層トレンチが復元されています。そこには「昭和のゴミ」も再現されていました。
私たちが現在使っている文字で「このゴミは危険です」と注意喚起しても、遠い未来の人々が発見した時に文字が伝わる保証はありません。「昭和のゴミ穴」を眺めながら、少しでも日常のゴミを減らす努力をしようと思いました。

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今月の霊宝殿

現在、霊宝殿では特別展「本門寺の狩野派展」が開催中です。
池上本門寺は、絵師の狩野派の菩提寺としても知られています。学芸員の安藤昌就さんにご案内いただきました。

存在感のある六曲一双の屏風絵は、永寿院蔵の「源平合戦図屏風」です。一般初公開だそうです。

「源平合戦図屏風」について→
http://www.eijuin.jp/News/view/1/331
きらびやかで、精緻な筆遣いの中に迫力を感じる一双です。一の谷合戦では、源義経の鵯越(ひよどりごえ)の逆落とし、平敦盛の最期の場面が描かれています。屋島合戦の那須与一の扇の的を射る場面も見られます。

今月の霊宝殿は、狩野派絵師たちの作品が展示されており、圧巻です。
霊宝殿特別展「本門寺の狩野派展」の会期は3月29日~5月6日まで。土日祝日のみ開館・拝観料300円です。
詳細はホームページにてご確認ください。

霊宝殿についてはこちらから→http://honmonji.jp/05topic/06info/reihoden/reihoden.html

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