声なき声を聴く
平成27年5月23日、第9期 第8回目の池上市民大学の1限目は、担任の吉田先生の授業です。
まず初めに、皆さんは『聞く』と『聴く』と言う言葉をどのように使っているでしょうか?
国語辞典では、『聞(ブン・モン)』は、音を耳で感じ取り、『自然に耳に入ってくる』や、『物事を聞いて知る』と言う意味です。
『聴(チョウ)は、聞こうと意識して物事を聞く事で、『注意してよく聞く』や、『身を入れてしっかり聴く』と言う意味です。
また、この『聴』を使った熟語には『聴聞(受け身で聞く)』や『傾聴(熱心に聴く)』等があり、私たちの生活の中では『聴く』より『聞く』の方が多いのかもしれません。
では実際に『聴く』事をやってみよう!
今回の吉田先生の授業の中で、この『聴く』事を私たち受講生同士で実践してみました。
内容は、お隣やお向かいにいる受講生同士で、インタビューをし合うというものです。
インタビューの内容は『池上市民大学の感想』です。
インタビューをする側が気を付ける事は、相手が気持ちよくお話してもらえるように、受け答え方を工夫して、相手の話を引き出すようにします。
「うんうん」、「なるほど!」、「・・・と言う事は、○○ですね!」など、次のお話にスムーズにつながるように『傾聴』し、相手の方が『熱心に聴いてくれて、会話が弾む!』と、思ってもらえるようにするのには、話ベタな私が実際に行なってみると、『すごく難しい!』と言う事がわかりました。
『声なき声を聞く』
震災以降、被災者の方々の『思い』や『悩み』等を聞く、傾聴ボランティアと言う活動が広く行われました。
しかし、実際には『傾聴』する事ができず、被災者の方々が本当に聞いてもらいたい声をなかなか聞くことが出来ないケースが多いそうです。
私たちが今回行なった、『熱心に話を聞く(傾聴)』事とは、改めて難しい事なのだとわかりました。
普段の生活の中では、『聴く』ことがあまり身近ではないかもしれません。
私たちの家族や身近な人が、口には出せない悩みを抱えているかもしれません。
今回の授業で学んだ事を踏まえ、私も身近な人が悩んでいたら、そっと耳を傾けて聴き、少しでも気持ちが楽になるように出来たら良いなと感じました。
最後に「仏さまの声」を聴くために、お釈迦さまが優しく語りかけてくださっているような意訳をもとに自我偈の解説をいただきました。
訳文を対照しながら自我偈を唱えると仏さまのお声が聞こえてくるような気がしました。
唱題行体験
二時限目は、大堂にて唱題行の体験です!
今回担当してくださった方は、修行を終えてまだ僧侶になりたてという、本門寺布教部の小西先生を導師に唱題行を行ないました。
唱題行とは日蓮宗の代表的な修行のひとつ。
心を静め、雑念を無くし、お腹の底から声を出してお題目をお唱え続けます。
お腹の底から声を出し、唱題行を行なった後は、声が枯れてしまうほど。
ただ、普段の生活ではお腹の底から声を出す事はあまり無いので、唱題行を行なった後は、声の枯れも吹き飛ぶほどの清々しさを感じる事ができました。
皆さんも是非体験なさってはいかがでしょうか?
本日の霊宝殿
本日の霊宝殿では、本門寺の歴代の貫主様のご真筆をメインに展示されていて、本門寺の歴史をたどるように、学芸員の安藤先生に説明していただきました。
特に興味深かったものは、『花押』の形状によって、どの時代に、何歳頃に書かれたものなのかがわかるそうです。
実際に年代別に展示されていた、同じ方のお手紙等を拝見すると、『花押』の形状が若干違うのがわかります。
その『少しの差で年代の判別ができる!』という事が、大変勉強になりました。
池上本門寺HP「霊宝殿」のページはこちら↓
http://honmonji.jp/05topic/06info/reihoden/reihoden.html
第9期 第8回 池上市民大学体験記
池上 市民大学